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激動する社会の波におぼれずに、自分の頭で考え 行動しようじゃないの。 命令されるのなんか 大嫌い。「群れない、媚びない、とんでもない」の猫の精神でがんばっていきまっしょい。
 ネットカフェ難民は全国で5400人
2007年08月28日 (火) | 編集 |

■厚労省がネットカフェ難民について初めて実態調査をしたということで、全国紙の夕刊がこの調査内容を一斉に報じた。

■ネットカフェに限らず地方の疲弊具合はますます拡大する一方で、うちの宿にも出入りしているリネンサプライの業者も、「今年の夏はどこも景気が悪いですね。リネンの出がすごく少ないもの」とこぼしていた。8月のはじめの頃のことだ。


参院選挙で人の移動が制限されているうえ、気象庁がなかなか梅雨明け宣言をしないものだから、天気がよいのに海の家は閑散。
梅雨明け宣言後はようやくドッと人出も増えたが、例年は満杯になる熱海の海上花火の日も、熱海の旅館・ホテル自体の客室がうまらず、当然湯河原も割を食ってお客の入りが悪かった。



■さて夕刊各紙の記事の元資料が、厚労省のサイトに載っている。

     
日雇い派遣労働者の実態に関する調査及び
     住居喪失不安定就労者の実態に関する調査の概要


     厚生労働省発表 平成19年8月28日

http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/08/h0828-1.html



中日新聞の「ネットカフェ難民」の定義によると、

【住所不定で日雇い仕事などをしながらインターネットカフェを泊まり歩く。ネットカフェはマンガ喫茶と融合させた店舗が大都市部を中心にチェーン展開されており、地方への出店も増えている。24時間営業の場合、1000-2000円の「ナイトパック」を利用すると、リクライニングシートなどを使って宿泊できる。】


以前、終電車に乗り遅れて新宿のネットカフェで一晩過ごしたことがある。
ソファは柔らかかったがゆっくり寝るという状態ではない。
ここで体を伸ばせずに何日も過ごすのはかなり辛い。
最低限、住居や食事の支援だけでも早急に行うべきだと強く思う。




■厚労省の調査内容は大量で読むのも大変なので、毎日新聞の記事を転載する。
右上の図も毎日新聞のもの。


       ネットカフェ難民:全国で5400人 厚労省が初の調査
     http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070828k0000e040031000c.html

 住居がなくネットカフェや漫画喫茶などに寝泊まりする「ネットカフェ難民」が、全国で約5400人(推計)に上ることが、厚生労働省の初の実態調査で28日明らかになった。約半数は日雇い派遣など不安定な非正規労働者が占め、年齢別では、50代が20代に次いで多い。背景には雇用問題などがあり、中高年層に広がっている実態が浮かんだ。

 調査は今年6、7月、同省が把握しているネットカフェ、漫画喫茶の全3246店舗に電話で行った。回答があった1173店舗への個別アンケートから終夜利用の人数、週に半分以上寝泊まりする「住居喪失者」(ネットカフェ難民)数などを推計した。

 その結果、終夜利用は1日当たり約6万900人。「パソコンなどの利用者」が半数を超えたが、住居喪失者は1割近くの約5400人と推計している。

 住居喪失者では、アルバイトや派遣などの非正規労働者が約2700人で最も多く、職を探している失業者が約1300人、職を探していない無業者が約900人、正社員が約300人など。年齢別では、20代が26.5%と最も高く、次いで50代が23.1%。総務省の労働力調査で、この二つの年代層は他の年代より、非正規雇用で働く人が多く、完全失業率も高くなっている。

 東京都と大阪府の265人の住居喪失者を対象にした個別調査では、約4割が路上野宿も経験、ファストフード店を終夜利用する人も4割を超え、路上生活などとカフェと両方の生活をしている実態が浮かんだ。また、求職については「日払いでないと生活が続かない」と答えたのが東京で4割、大阪で5割を超え、貧困が住居確保と就業の妨げとなっていることを示した。

 厚労省は「仕事がないから住居がない、住居がないから仕事がないとの悪循環に陥っている例もある。生活相談や入居のための貯蓄相談などをNPOに依頼し、就労はハローワークで支援するなどの連携が必要だ」と話している。【東海林智、市川明代】


 ▽ネットカフェ難民調査や野宿者支援などにかかわってきた「自立生活サポートセンターもやい」の湯浅誠事務局長の話 路上とネットカフェなどを往復している層が相当数いるということが分かる。厚労省が4月に4年前よりホームレスが減少したとの調査結果を発表したが、景気回復や就労支援で問題が解消に向かっているというのは筋違いであることが明らかで、就労支援だけでなく住宅・生活保障をからめた横断的な施策が必要だ。

◇厚労省の調査(東京都)による生活関連費(1カ月)◇

給与  10万7000円

食費   2万5000円

寝泊まり 2万4000円

衣服・日用品 6000円

携帯電話   4000円

娯楽   1万7000円









 新・空気が読めない3兄弟
2007年08月26日 (日) | 編集 |




歴史に無知、現状は無視。

こんなリーダーたちが蠢(うごめ)く世界は

まったくもって「美しい星50★」ですね。










 異常気象か人災か、西日本に大雨被害
2007年07月06日 (金) | 編集 |

■梅雨前線が活発化し(活発化し過ぎだ)
九州・四国で大雨が続いている。
写真は土砂崩れがあった熊本の民家の裏山。
共同通信の記事によると
<熊本県の大金峰で、この地点の一時間雨量として観測史上最多の85ミリの猛烈な雨を観測。長崎県の島原では62ミリ、宮崎県の鞍岡では7月の時間雨量として過去最多の56ミリの雨が降った。>という。


■テレビのニュースでも、川の氾濫を目の前にして、住民が
「70年ここに住んでいるがこんなひどい事態は初めてだ」と語っていた。
毎年毎年繰り返される災害。
温暖化に伴う異常気象が問題になっているのに、常に肝心の国土整備が後手後手にされ、自然の猛威の前に悲しいくらいなす術なしの状態だ。
その一方で開発という名の自然破壊はあいも変わらず続行され、いったいいくつの無駄なダムや埋め立てが強行されているだろうか。
一部の利益のために平気で巨費が投じられ、多くの住民にとって本当に必要な開発や整備は予算がないという理由で簡単に切り捨てられている。
その結果が、こうした国土の慢性的な被害と疲弊を生んでいるのだ。
災害被害を受けた住民の中には廃業を余儀なくされるケースも少なくない。さらに地方は追い詰められ、経済格差は拡大する一方だ。


■左の写真は、ようやくこの1日に山開きした富士山。
キャプションには、<8合目付近で雪かきをする山小屋の関係者たち>とある。
例年になく残雪がひどく、山開きが懸念されていた。
うちでもほんとに大丈夫なのかねと先月初めから心配していたところだ。
こうした肝心なニュースは、なぜかなかなか報道されない。
例年のように気軽に富士登山に来る観光客が事故に遭遇しなければよいのだが…。






 温泉も規制緩和で骨抜きにされてしまった
2007年06月24日 (日) | 編集 |
■渋谷のスパ爆発事故を受けて、うちにも小田原保健所から「温泉施設における天然ガス等による事故防止点検等の実施について」という通達が送られてきた。
しかし湯河原温泉は万葉集の中でも詠われてくらい古い温泉地なので、もちろんそんな天然ガスとは無縁だし、新興の温泉施設とは違って提供している温泉も本物である。   上のアニメ素材は「ゆーりの休日」より拝借。


  
■先日この爆発事故について少々書いたのだが、時間がなくて中途半端のぶつ切り状態でしかも温泉の定義についても勘違いしていたため、その点を改めて書いてみようと思う。


温泉法によると、温泉とは
地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く。)」であり、

1.温泉源から採取されるときの温度が摂氏25度以上のもの

  または

2.別表の指定物質のうちいずれか一つが基準値を上回るもの

  のことをいう、とある。


ちなみに指定物質(成分)とは次の19物質。

1.溶存物質(ガス性のものを除く。) 総量1000mg以上
2.遊離炭酸(CO2) 250mg以上
3.リチウムイオン(Li+) 1mg以上
4.ストロンチウムイオン(Sr2+) 10mg以上
5.バリウムイオン(Ba2+) 5mg以上
6.第一鉄又は第二鉄イオン(Fe2+,Fe3++) 10mg以上
7.マンガンイオン(Mn2+) 10mg以上
8.水素イオン(H+) 1mg以上
9.臭素イオン(Br-) 5mg以上
10.ヨウ素イオン(I-) 1mg以上
11.フッ素イオン(F-) 2mg以上
12.ヒドロひ酸イオン(HAsO4--) 1.3mg以上
13.メタ亜ひ酸イオン(HAsO2) 1mg以上
14.総硫黄(S) 1mg以上
15.メタホウ酸(HBO2) 5mg以上
16.メタケイ酸(H2SiO3) 50mg以上
17.重炭酸ナトリウム(NaHCO3) 340mg以上
18.ラドン(Rn) 20(100億分の1キュリー単位)以上
19.ラジウム塩(Raとして) 1億分の1mg以上



■何を持って温泉というのかは、上記の基準、つまり水温が摂氏25度以上または指定成分の1つでも入っていればOKということなのだが、実は数年前までは「水温が摂氏25度以上 AND 指定成分の1つ」だったのだそうだ。
それがいつの間にやら「水温が摂氏25度以上 OR 指定成分の1つ」に変わってしまったのだから、もともとあきれるほど低い基準が、基準改正によってグダグダの骨抜きにされてしまったことになる。

私はANDの方が頭にあったわけで、今回改めてこのインチキ基準を知ってあきれ果ててしまった。
地面を100メートル掘れば2度程度温度は上昇するので(地球の真ん中は熱いマグマが煮えたぎっている)、日本のどこでも深く掘れば温水が出てくるのは当たり前だ。そして摂氏25度以上あれば成分なしでもOKといえるということは、ただのぬるい井戸水でも堂々と温泉ですと看板を出せるということなのだ。

また例の偽温泉騒動から「温泉成分表」を掲示することが義務づけられたのだが、これはあくまで源泉成分のことであって、基準さえクリアーしてしまえば、温度が低いからボイラーで加熱しようと水道水を混ぜて薄めようと、塩素で消毒しようと循環装置を使ってお湯を使い回しにしようとすべて温泉として認めるっていうんだから、こんなインチキ温泉法はミートホープ社の豚肉混入やら水増し鶏肉手法とまったく同じではないか。


■うちの宿では幸いなことに源泉温度が60度弱なので、完全な源泉掛け流しの温泉を提供できている。温泉の質も湯河原では最良の部類なのは確かである。源泉は地下300メートルからくみ上げている。本当はもう1本、建物の真下にも源泉を持っているのだが…(源泉は金食い虫なのでこちらの方は封印中)。

ただ源泉掛け流しの場合は維持管理も大変で、源泉は日々微妙に温度も違うし、外気温によっても温度変化が起きて、常に一定の水温を保つのはかなり難しい。また源泉の量にも限りがあるので、浴槽を増やしたりしてやたらに掛け流してよいというものでもない。そこらへんのバランス感覚も必要だ。

時折温泉の設計技師や温泉のボーリング(掘削)関係者が宿泊すると、完全な源泉掛け流しとは珍しいですねと言われる。
ほとんどの宿が今では源泉掛け流しをしていると思っていた私にとって、これは逆に驚きでもあったのだが、実態はそれに近いのだろう。
もちろん小さな宿で薄利でもよい温泉を提供しているところは探せばいくつもあるのだろうが、無数にある温泉施設の中に埋もれてしまい、経営が日々悪化の一途を辿っているのもまた現実だ。


■いい加減な温泉の基準といい、大型日帰り温泉施設の増設といい、まさに規制緩和のなせるわざの1つといえよう。
小さな昔からの温泉の偽装は偽温泉とさんざんバッシングされたが、こうした大型施設は基準がさらにさらに甘く、今回の爆発事故が起きる前までは、この大甘基準は一顧だにされなかった。
今度のことでしばらくは叩かれるだろうが、喉元過ぎれば何とやらでまた儲けるんだろうな、次の事故が起きるまで。



温泉業界も規制緩和に伴う経済格差で内部矛盾がマグマのように噴出中、というお話でした。








 爆発事故の天然温泉は、「天然ガス」温泉だった
2007年06月20日 (水) | 編集 |

■昨日19日午後2時半頃、東京・渋谷の女性専用温泉施設「渋谷松濤温泉シエスパ」の別棟で爆発事故が起き、女性従業員3人が死亡、通行人ら3人が重症を負った。
別棟内に充満した天然ガスに引火爆発したものと見られている。

■昨今の温泉ブームで大型の日帰り温泉施設があちこちにできているが、そもそも「温泉」の定義があやふやでいい加減すぎる。
井戸を深く掘れば当然水温は高くなる。で、水温が25度以上で、プラスそこに1つでも指定成分が検出されれば温泉と認められるのだから大甘基準だ。そして20度台30度台で源泉掛け流しだなどと平気で謳っているのだから、まったくお話にならない。

 エリツィン死す
2007年04月24日 (火) | 編集 |
■ロシアの前大統領ボリス・エリツィン氏が、23日多臓器不全で死去した。76歳。
あだ名は「酔っ払い」とか「白熊」。
ゴルバチョフ元ソ連大統領を権力闘争で追い落とし、ソ連を崩壊させた。しかし自由経済のいきなりの導入は人々の生活を困窮させ、政情の不安定をもたらした。

エリツィンといえば、思い浮かぶのが「オリガルヒ oligarchy(新興財閥)」の存在である。
旧体制の政権の幹部たちが、国営から民営に変わる過程にビジネスで大金を儲け、新しい資本家階級へとのし上がっていったのだ。
代表的なオリガルヒはベレゾフスキーなどの7人で、そのうち5人がユダヤ人。
このベレゾフスキーは裏でエリツィンを操っていたといわれる。

■経済の混乱を招いたエリツィンは国民の間で評判が悪く、再選後に任期を残したまま、プーチンに次期大統領の椅子を譲った。
オリガルヒのベレゾフスキープーチンも操ろうとしたが、反対に横領罪で逮捕されてしまった。


皮肉なことに大多数のロシア人は、自由の変わりに社会の不安定化を招いたエリツィンよりも、多少独裁的でも強いロシアを再建したプーチンをより高く支持しているのである。





 「正社員を非正社員並みに」だって
2006年12月22日 (金) | 編集 |

■昨日21日は、本間正明・政府税制調査会長の辞任に関しての説明記者会見で、「一身上の都合で」を13回も繰り返してワイドショーの格好のお笑いネタになった首相がいたが、そのお膝元の経済財政諮問会議の民間メンバー、八代尚宏・国際基督教大教授も18日の内閣府の労働市場改革などに関するシンポジウムでトンデモ発言をしていたのだった。



■なんと、正社員と非正社員間の格差是正し「同一労働・同一賃金」を達成するためには、正社員の待遇を非正社員のレベルに合わせる必要があると述べたそうなのだ。

八代教授は、労働市場流動化のための制度改革「労働ビッグバン」を提唱しており、現在の格差問題は規制緩和が原因で生じたものではないとの強硬姿勢を貫いている。


■この八代教授は10日に放送したNHKスペシャル「ワーキングプアⅡ」でも、専門家の一人として「非情」(^^;;発言をしている。
まさに本間正明、竹中平蔵と同じく、すでに実践的にも破綻した新自由主義経済理論を振りかざし、日本を亡国へと導いているメンバーでもあるのだ。

何はともあれ悔しいのは、私自身、かつて八代教授の規制緩和論を記事にしたことがあるという事実だ。

だからこそ、声を大にして言いたい。

われわれ一般国民をさらなる地獄へと導く、新自由主義―規制緩和―を肯定してはいけない。
一刻も早くこのインチキ理論のからくりを暴いて、悪夢から目覚める必要があると。






 NHKスペシャル「ワーキングプア2」
2006年12月11日 (月) | 編集 |

■昨夜のNHKスペシャルで、前回大きな反響を呼んだ「ワーキングプア 働いても働いても豊かになれない」の第2弾、「ワーキングプア2 努力すれば抜け出せますか」が放送された。

ワーキングプアとは、働いても生活保護水準以下の暮らししかできな「働く貧困層」のことで、今や日本の全世帯の10%、400万世帯、あるいはそれ以上とも言われている。



■今回は、さらに厳しい状況に置かれている女性に主な視点を置いて、派遣やパートの仕事をしながらぎりぎりの生活に耐えている人々の現実をカメラが追った。
仕事の合い間に番組を見たので、急いでメモした範囲で内容を再現する。



    NHKスペシャル 
     「ワーキングプア2 努力すれば抜け出せますか」




   その1 女性たちの悲鳴

現在、働く女性の半数以上が、パートや派遣などの非正規雇用になっている。

ケース1
2人の男の子を抱える母子家庭の31歳の女性は、昼と夜の2つの仕事を掛け持ちし、睡眠時間を4時間に削りながら奮闘している。
資格を取ってより収入のよい仕事に就きたいが、それには仕事を休んで学校に通わなければならず、苦しいジレンマに直面。
「こうやって生活している私は、まだ自助努力が足りないというのか…」と彼女は重い口で自問する。


ケース2
北海道在住の絵の得意な23歳の独身女性は、父親の病気(うつ病)で、専門学校への進学と都会のゲーム会社で働く夢をを断念せざるを得なかった。
人口2000人の町には、若い女性に選べる仕事はない。
町立病院の調理の臨時職員に就いたが、おととしから民間委託されて、670円のパートになった。
妹と共に同じ仕事で家計を支え、父親の面倒も見る。
給与は姉妹合わせて16万円。
少しでも給与を増やしたいと頑張って調理師免許を取った。
だが、結果は時給が10円上がっただけだった。
彼女は唇を噛みしめながら言う。
「パートでしか雇ってもらえない私たちは、使い捨てなのか。結局負け犬と呼ばれてしまうのでしょうか」
それでも夢だけは捨てたくないと彼女は思う。



NHKへ寄せられた手紙から
「自分は働く意志も能力も持っている。でもワーキングプアです」



   その2 景気回復を実感できない

岐阜県・柳ヶ瀬市。地場産業の繊維業が衰退し、シャッター街が続く。今、グローバル化による海外との価格競争で、さらなるコストダウン化が進んでいる。

ケース3
メーカーの下請けで衣服のプレスの仕事をする57歳の女性。
8年前に夫を亡くし、ひとりで工場を守ってきたが、ここ最近は収入が月7万円まで落ち込み、とうとう工場をたたむことになった。
独身で仕事をしている娘のところに身を寄せるという。
甲斐性のない親で情けないと、涙ぐむ。


ケース4
岐阜市には中国から低賃金で働く人が急増し、その数は1万人にのぼる。彼らは日本の技術を学びに来た研修生や実習生で、月5万円くらいの低賃金で働き、なかには時給200円という不当な額で働かされている人たちもいる。これがさらなるコストダウンに拍車がかかる原因となっているのだ。

この地に住む56歳の男性。コストダウンの要求は、彼のような末端の仕上げ業者に最もしわ寄せがかかってきている。
これまで1着100円だった工賃は50円に下がって、今年の年収はとうとう30万円を割ってしまった。
そのため58歳の妻がパートの掛け持ちをして家計を支えている。
老人施設での食事作り。同じ職場では同業の女性も働いている。
みな本業だけでは暮らせなくなってしまったのである。
娘の大学進学代のため、妻はもう1つパート先を増やした。皮肉なことに、中国人の研修生たち用の食事作りの仕事だった。
しかしこれら3つの仕事を掛け持ちしても学費全額はまかなえず、銀行に借金をした。
こわばった笑顔を作りながら、妻は言う。
「とにかく卒業させること。この4年間は、老後のことは考えないようにしようと…」


中小零細企業の倒産は、この10年で16万件にものぼっている。




    番組を見た3人の専門家の意見(1)


日本女子大学教授・岩田正美氏
日本の母子家庭は、世界でも類を見ないほどよく働いている。
しかし働いているのに貧しいところに、この国の問題がある。
就労支援は所得保障と連動できる制度が必要。
また努力に労働条件がついて行っていない。雇う側に、労働条件の責任を持たせる方向が必要だ。


国際基督教大学教授・八代尚宏氏
政府のワーキングプアへの支援は十分ではないが、さらに構造改革を進めていけば、いずれ問題は解決する。
何よりも景気の回復が第一。このようにワーキングプアが増えている原因は長期の経済停滞だからだ。
もっと高い経済成長で雇用機会を増やすことが大事。
岐阜の繊維産業に今求められているのは、より付加価値を高める製品を生み出す努力だ。
高成長でないとやっていけないビジネスモデルが問題で、それをあきらめてもらうより仕方がない。低成長でもやっていけるモデルに変えていかざるを得ない。
中小企業といっても企業だから、企業というのはビジネスをする以上お客のあるところに移っていかれなければ、ビジネスを辞めてサラリーマンとして働くしかない。
そういう努力を支援するのが、国の役割。昔と全く同じビジネスを続けることを国がサポートするのは間違いだ。


経済評論家・内橋克人氏
景気回復だけではワーキングプアの問題は解決できない。
岐阜の、海外からの安い労働力によるコストダウン競争は、労働の規制緩和が進めば他の産業にも起こりうる。
研修生という名のチープワーカー(安い労働力)を使うというのは、現在の日本人の労働力をさらに安くできる余地を作ること、すなわち「どん底」へ向けて競争していく装置、しかけ、社会の在り方。
こういうことでコストを安くしたところで、日本の競争力や企業の競争力は高まらない。
大企業だけが利益を独占する今の経済構造を変えない限り、非正規雇用の女性や地域でがんばる人々の努力に報いることはできない。
報われないと、人々の勤労意欲がなくなる。勤労を美徳とするこれまでの徳性というものが失われていく。
働くことにどう報いるのかというのが、その国の本質を物語る。
このままいくと、貧困者がマジョリティー(多数派)になる。
そんな国が、どうして豊かな国といえようか。




   その3 働き続ける高齢者


ケース5
京都。早朝に町内の空き缶を拾い集める80歳の男性。
3年前から拾った空き缶を業者に売って生計を立てている。
75歳の妻も一緒に拾い集めて、1ヵ月5万円の収入に。1キロ130円、1缶あたり、わずか2円だ。
缶拾いをするのは、年金をまったくもらえていないからである。
男性は元大工。家族を養うのに精一杯で、年金の保険料を払えない期間があった。現在は万一のための貯金が70万円あるために、生活保護も受けられない。
妻は落ちているギンナンの実を拾って食材の足しにする。子供たちは家族やローンを抱えているので頼れないと、彼女は言う。
男性は3年前まで公園清掃の仕事をしていたが、この仕事に就く人が増えて、最も高齢だった彼が辞めた。
ようやく見つけた缶拾いの仕事も、やはり次第に競争相手が増えて、手にできる現金の額も減っていくばかりだ。


このケースのように、年金がもらえていない老人は全国で40万人になる。


ケース6
年金があっても、働かざるを得ない人も増えている。
東京。公園掃除をする76歳の男性。
月6万円の年金と公園掃除8万円の収入があるが、妻がアルツハイマー型の認知症で特別養護老人ホームに入所しているため、その特養に払う6万円で年金は消えてしまう。
この先、介護保険や医療費のアップで、さらなる負担増が待っている。






    番組を見た3人の専門家の意見(2)


経済評論家・内橋克人氏
80歳の高齢者の現在は、今まさに働いている若者の明日の姿。
生活に困窮して年金が払えなかったために年金がもらえない。こういう状態を社会が放置していたら、これは「貧困の再生産」だ。
こんな状態を放置して、なにが国家か。
国家と国民が完全に乖離(かいり)している。
国民を大事にしない国家に繁栄などない。


国際基督教大学教授・八代尚宏氏
高齢者でありながら十分な年金をもらっていない人には、最低生活の保障を。社会保障を、もっと所得再分配を意識した形に変えていくことが必要。これは年金や医療の改革と一緒にやらなければいけない。
日本が目指すべき方向は、「健全な市場主義」だ。
効率的な社会保障、きちっとしたセーフティーネットを国が作って行く。その中で企業の競争を高めていく社会が、これから目指すべきものである。


日本女子大学教授・岩田正美氏
働いているのに貧しいというのは、今の日本の生産力水準から見て変だ。どういう状態の生活が今のような経済水準にある日本社会の中で、普通だとか最低ラインだとかある程度はっきりさせて、それ以下になったらまったくおかしいぞと。
だからいくら外国との競争でも、賃金はそれ以下にはさせないという力を社会が持たないと、ずるずる下がっていく。
どのくらいが最低賃金か、あるいは一人親で子供を育てている場合社会がどこまで支援するのか、70、80歳になって缶を拾わなければ生きていけないという高齢者の、そういう社会をよしとするかどうか、そういう判断を私たちに迫っている。




番組司会者の言葉
今回、現場に行って最も強く感じたのは、ワーキングプアは一部の人だけの問題ではなく、病気、親の介護、老いることなど身近なできごとがきっかけで誰にでも起こりうるということだった。
番組で紹介した人たちは、子供、親、家族のために懸命に働いていた。
また自らの境遇を誰のせいにもしていなかった。
それでもワーキングプアから抜け出せない。
これ以上の自助努力を求められるだろうか。
ワーキングプアの問題を放置することは、もう許されない。
国は再チャレンジを支援する政策を打ち出した。
しかしワーキングプアについては、その実態の調査さえ行われていない。
その現実を見なければ、有効な対策も見出せないのではないか。





 小泉とは何だったのか?
2006年10月02日 (月) | 編集 |
■日刊ゲンダイ9月29日号に、なぜ「安倍は自ら自殺行為を選び、参院選に勝てそうにない内閣の布陣を敷いたの」か? という内容の記事がある。

それを解くカギは、5年も続いた小泉政治に隠されている。
政治評論家の森田実氏が言う。
「安倍新内閣の真相は何かというと、それは“小泉政治のスキャンダル封じ”です。総理を辞めた後の小泉純一郎と竹中平蔵を守るために、安倍内閣はできたと言っていい。長期政権の末期には必ず大きな政権スキャンダルが起きている。吉田内閣の造船疑獄、佐藤内閣のロッキード事件(発覚は次の田中政権)、さらには中曽根内閣のリクルート事件(発覚は次の竹下内閣)です。小泉内閣でも、最後になって、市場原理主義、金儲け万能主義のツケとしてホリエモンや村上世彰の逮捕、福井日銀総裁の疑惑が破裂し、政権がらみの株・金融疑獄はどこまで拡大するか分からない。検察は多くの材料を集めている。これは、小泉・竹中コンビにとって恐怖です。そこで、自分が育て、言いなりになる安倍を総理にして、検察捜査からガードさせようとした。中曽根が後継を竹下登にしたのと同じです」




■まったくね。
いっこうにとれないこの疲労感は、日常の仕事によるものだけではない。小泉によるデタラメな政治がやっと幕を下ろしたと思ったら、一層デタラメで危険な安部政治が開幕し、息つく間もなくさらなる疲労の蓄積へと繋がっているからだ。

さて小泉というと、思い浮かぶのがこの絵の男。
ご存知、手塚マンガの主役級のひとり、ロックこと間久部禄郎(まくべろくろう)だ。

名前からわかるように、『マクベス』がモデルの悪役で、冷酷なナルシスト。目的の成就のためなら殺人もいとわない。

『バンパイヤ』という作品の中では、マクベスと同様、3人の魔女から「あんたは世界の王になる」「あんたは人間にも殺されないし、動物にも殺されない」との占いを受け、自らの野望をとことん追及していく。
また『アラバスター』では、キッパ帽をかぶって嘆きの壁で自己陶酔にふけった小泉とまったく同じようなポーズと表情で、鏡の中の美しい自分の姿に陶酔するのである。


未完に終わった『バンパイヤ』では、人間でも動物でもないバンパイヤ(動物に変身する人間)にまだ殺されないままの間久部だが、現実世界の間久部こと小泉純一郎は、はたして何者の手によって滅ぼされるのだろうか。



 反対者や辺境はどうなろうとかまわない
2006年08月22日 (火) | 編集 |
   わたしの言う愛国心とは、恐怖です。他者への恐怖です。
   しかもこの表現は、政治的なものであって詩的なものではない、
   憎悪、紛争、侵略。
   この恐怖は日ましにわれわれの体内で成長していきます。
   年ごとに深まっていきます。われわれは、わが道に従いすぎて
   しまったのです。

          アーシュラ・K・ル・グィン『闇の左手』より




■暑い夏が続く中で、日々さまざまな事件が起こり、いや起こりすぎていると言ったほうが正確だが、あまりに目まぐるしくすべてが流れ行くので、少し前の出来事さえも遠くかすかな記憶へと変わってしまう。



■8月15日、「日本遺族会と軍人恩給連盟に対する公約」を果たすため、小泉首相は靖国神社を参拝した。
新聞各紙はこの参拝を批判したが、ネットの住人たちは圧倒的に小泉支持へ回った。


同じ日、首相参拝に反対した加藤紘一氏の実家が右翼の焼き討ちにあった。明らかなテロ行為にもかかわらず、官邸は沈黙し、小泉はお見舞いの電話すらかけなかった。
彼らにとって反対や批判をする者は、テロで殺されようとかまわないのだ。
いやむしろ、その方がありがたいと。


翌16日、北海道根室沖で日本の漁船がロシアに拿捕され、一人が銃弾を受けて死亡した。
しかし首相も官房長官も夏休み中で、何の反応もしない。
彼らにとって北海道や沖縄など、そんな「辺境」の地はどうなってもよいのだ。豊かな大都市だけが守るべき日本であるのだから。



■この国の外交の扉はたった1つしかない。
それは「アメリカへの扉」。
いくつもの他の扉は閉じられたまま、あるものは固く閂が下ろされ、あるものは朽ち果てたままだ。

そして国民への扉も1つしかない。
「金持ちと追従者への扉」。
少し前までいくつかの扉があったのだが、次々と閉じられてしまった。
やがて追従者たちも徐々に締め出されていくだろう。
だがそれに気づいたときは、もう手遅れなのだ。