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 イージス・アショアの配備はなぜ秋田と山口に? それは、最初から日本を守るつもりがないからだ
2019年06月11日 (火) | 編集 |

 でたらめデータと職員の居眠りで大顰蹙(ひんしゅく)のイージス・アショア。
防衛力自体もクエスチョンマークなのに、北朝鮮ミサイルの迎撃のためになぜ
今あるイージス艦の他に、わざわざ秋田と山口の地上2ヵ所にも置くのか、
その理由も明確に示されていない。
で常々、イージス・アショアは日本ではなく米国を守るために配備されるのだと
噂されていて、私も大いに憤慨したものだった。

そこで去年2018年に雑誌「AERA」に掲載された軍事ジャーナリスト・田岡俊次氏
の記事を紹介する。これを読めば、なるほどと納得できるだろう。



       朝日新聞  2018年9月27日
         https://dot.asahi.com/aera/2018092600055.html?page=1

           陸上イージスはハワイ、グアムは守れても日本は守れない?
                                         田岡俊次


 弾道ミサイル迎撃ミサイルを陸上に配備する、イージス・アショア(陸上イージス)。防衛省は来年度予算の概算要求に「陸上イージス」初年度経費2352億円を計上した。秋田市の陸上自衛隊新屋(あらや)演習場と山口県萩市の同むつみ演習場に配備する計画だ。将来7千億円にも達しそうだが日本防衛には不必要。ハワイ、グアム防衛に有効だ。







 北朝鮮の弾道ミサイルは主としてその北部山岳地帯のトンネルに隠されていると見られ、もし首都圏に向けて発射されれば能登半島上空を通る。近畿地方を狙うなら隠岐諸島付近を経由する。弾道ミサイル迎撃には真正面から迎撃ミサイルを発射するのが理想的だ。角度が変わらず命中率が高い。目標が時速1万キロないし2万キロの高速で接近してくれるから、迎撃ミサイルは左右方向へのロケット燃料の消費が少なく、その分高い高度で迎撃できる。日本防衛に陸上イージスを配備するなら能登と隠岐に置くはずだ。

 北朝鮮北部からハワイに向かうミサイルはおおむね秋田の上空を通過し、グアムに向かうものは山口の上空を通る。弾道ミサイルが加速を終え、惰力で放物線を描いて上昇中のところを、射高1千キロ以上の迎撃ミサイルは正面から狙える。米ミサイル防衛局は新型のイージス用ミサイルは大陸間弾道弾(ICBM)に対しても有効、と公表している。

 防衛省の担当幹部に秋田、山口を選んだ理由をただしても、「日本全域を守れるから」としか答えない。射程が2500キロもある迎撃ミサイルはどこに置いても日本全域が防衛圏内に入るし、イージス艦でも十分な弾さえあればやれる。防衛省は陸上イージス導入につき「誠心誠意丁寧に説明する」と標榜するが「そこがハワイ、グアムへの軌道の下だから」と答えるわけにはいかないのだろう。

 秋田市の新屋演習場は中心部から西へ3キロ、海岸に近いが、秋田商業高校と背中合わせで、北と東は住宅地や公共施設がならぶ。迎撃ミサイルは一般的には西の海上方向に発射されるはずだが、1発目が当たらないと2発目を発射する。2発目を東の方向の「未来位置」に発射するとブースター(第1段ロケット)が陸地に落下する可能性はある。

 萩市のむつみ演習場は日本海岸から約10キロ内陸で、北約1キロに集落がある。大出力のレーダーは水平線上に現れる弾道ミサイル監視のため、低い角度で電波を出し続けるから健康への障害が案じられる。防衛省は「レーダーのSバンドは無線LANにも使われるから安全」と地元に説明するが、Sバンドは電子レンジにも使われ熱を出す。無線LANの出力は100分の1ワット、イージス用のレーダーは最大4百万ワットで4億倍の出力だから説明はインチキだ。

「レーダー電波を浴び続けると女の子しか産まれなくなる」と自衛隊では言い伝えられ、イージス艦は入港前にレーダーを切り、港内や市街地への影響を防いでいる。

 米国は陸上イージスをルーマニアに配備、ポーランドに建設中で、韓国には「サード」を置いたが、いずれも費用は米国が全額負担し米軍人が運用する。日本に陸上イージスを置くのはハワイ、グアムの防衛に有効だから、少なくとも経費の半分くらいは米国が出すよう交渉すべきだったろう。(軍事ジャーナリスト・田岡俊次)

※AERA 2018年10月1日号より抜粋






米ハワイ・カウアイ島の「イージス・アショア」実験施設。
ルーマニアやポーランドにも設置するが、費用は全額米国が負担している。
(c)朝日新聞社





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