激動する社会の波におぼれずに、自分の頭で考え 行動しようじゃないの。 命令されるのなんか 大嫌い。「群れない、媚びない、とんでもない」の猫の精神でがんばっていきまっしょい。
 古地図と歩く江戸深川 その2 六間堀金兵衛長屋・深川めし・神明宮
2012年10月25日 (木) | 編集 |

時代劇ドラマ『陽炎の辻』と『薄桜記』に出てくる場所をめぐってみようと
ふと思い立ち、東京・江東区へやってきたが、新大橋から萬年橋まで
川沿いのテラスを歩いているうちに、とんでもない勘違いをしていることに
気づいた  子どもの頃から慣れ親しんだ場所だからすぐにわかるだろうと
高をくくっていたら、な、なんと昔と今とでは新大橋の場所が違っていたのである。
というわけで、まずは昔の新大橋の場所を確認してから、改めて江戸深川めぐりに
参ろうぞ(^^;





『陽炎の辻』の舞台を探しに





『陽炎の辻』は07年から3シリーズにわたってNHKでドラマ化された。
原作は佐伯泰英の人気長編シリーズ『居眠り磐音 江戸双紙』で
その第1巻目のタイトルが「陽炎ノ辻」である。

明和9年(1772年)、3年間の江戸勤番を終えた坂崎磐音(いわね)と
朋輩の河出慎之輔、小林琴平は故郷の九州・豊後関前(せきまえ)藩へ帰参するが、
若い彼らの藩政改革への動きを警戒した藩の守旧派の罠にはまり、互いに斬り合う
結果になった。上意討ちの命で、許婚である奈緒の兄・琴平を斬った磐音は故郷も
奈緒も捨て、再び江戸に出て浪人暮らしをはじめるのだった。



    

左:新大橋の上で、故郷の空に向かって手を合わせる磐音。
右:深川育ちで、両国の両替商「今津屋」の奥女中として働くおこん。
ふたりは新大橋の上で偶然出逢う。
 





幕末の古地図。
この地図にある江戸時代の新大橋は、元禄6年(1693)に架けられた。
すでにあった両国橋が大橋と呼ばれていたので、こちらには新がついた。
昔の新大橋は、現在の新大橋の場所より150メートルほど
萬年橋寄りの下流に架かっていた。



    

左:あった、「旧新大橋跡」の石碑。
磐音の物語世界は、この場所が基点になっているのだ。
右:というわけで、昔の新大橋を渡って江戸深川をのぞいてみよう。

小説『居眠り磐音 江戸双紙』の中には、こう記されている。
【坂崎磐音は足を引きずるようにして新大橋を渡った。
明和九年十月の中旬、江戸の町を木枯らしが吹き抜けていた。】

ちょうど今から240年前の、同じ10月の出来事である。
 





実は『陽炎の辻2』の完全ガイドブックに
「磐音が暮らした江戸の町」という、簡単な地図が載っていたのだ。
今回はその中から、金兵衛長屋と鰻処宮戸川、今津屋の場所を
探してみることにした。
小説とTVドラマではストーリーも設定も少なからず異なっているが
お互いに補強しあうということで、あえて一緒にテクストとして
使うことにした。





金兵衛長屋はどこに?





江戸で行くあてのない磐音を、おこんは父親で大家を務める
金兵衛の長屋へ案内する。そしてここが磐音の暮らしの場となった。






では磐音が暮らす深川六間堀町の金兵衛長屋は
どこにあった(どこに設定した)のだろうか?


小説にはこうある。

 長さ百十六間の新大橋を渡り切ると御籾蔵にぶつかった。
 磐音は右に曲がり、御籾蔵の塀に沿って左に折れた。蔵の右手は町家で深川元町、六間堀町と続いて、小名木(おなぎ)川と竪(たて)川を結ぶ堀に出た。
 その堀に猿子橋が架かっていて、南六間堀町とを結んでいた。
 磐音は六間堀町の裏長屋、金兵衛の木戸を潜ろうとして、猿子橋の袂にどてらを着た大家の金兵衛が立っているのを認めた。





   

上の小説の中に出てくるいくつかの名称をキーワードに、実際に歩いてみる。
左:旧新大橋跡から萬年橋北交差点を東の方角に進む。
目の前の白い建物が、ちょうど御籾蔵のようだ(^^;
中:写真の方向が違ってわかりづらいが、次の常盤1丁目交差点に来た。
中央の白いビルは、古地図で見ると深川元町のはずれあたりか。
右:同じ交差点の反対側。ここは御籾蔵のはずれあたりか。






この常盤1丁目交差点の場所に「猿子橋」が架かっていた。
ということは、この交差点の左右に六間堀川が流れていて
堀の手前が金兵衛長屋の場所と推測できる。
余談だが、寛政10年(1789)にここ猿子橋で
巡礼の母娘の仇討ち事件が起きたそうだ。






家へ戻ってからいろいろ考えた結果
この付近が金兵衛長屋ではないかという結論に達した。






最初は、交差点の道をはさんだ反対側のここら辺に
違いないと思っていた。
御籾蔵を右折→塀に沿って歩き左折すると、川沿いに出る。
猿子橋のすぐ近くでもある。
しかし問題は、その場所はまだ御籾蔵であって、
その先の北六間堀町まで行くと、今度は「中橋」付近になってしまう。
また【蔵の右手は町家で深川元町、六間堀町と続いて
という文章が、頭の隅に引っかかっていた。


実は小説の中に、こうした箇所もあったのだ。

 猿子橋と中橋の間には御籾蔵があって、その先に六間堀町が北之橋まで広がっていた。金兵衛長屋のある六間堀町は御籾蔵をはさんでの飛地である。


つまり、深川元町の(地図にはないが)川沿いに六間堀町の飛地がある。
   飛地←御籾蔵→六間堀町→北之橋
といった地理関係にあり、
ゆえに第1候補あたりが金兵衛長屋である。と、結論づけたわけだ。
はあ~っ、疲れた  
史実ならともかく、フィクションの舞台を気が滅入りそうになるくらい、
ああだこうだと推測しても実(じつ)のないことかもしれないが、
やはりきっちり自分の中で結論づけておかないと、いつまでもモヤモヤを
引きずってしまうような気がする。
年齢を重ねるごとに、より理詰めに考えないと納得できなくなってきている。
ようするに単に性格が頑固になっただけかもしれないが…(^^;
われながら困ったもんだ


もう一つ引っかかったままなのが「御籾蔵」のことだ。
ある資料では、元禄6年に日本橋浜町から深川籾倉脇に新大橋が架けられたとあり、
また別の資料によると、深川新大橋の向こうに11棟の籾蔵が建てられたのは
寛政10年(1798)8月のことだったという。
これは老中・松平定信の寛政の改革の一つ「七分積金」制度で、飢饉などに備えて
米を備蓄するもので、もしこの寛政の改革で蔵ができたとするならば、
それより26年前の明和9年にはまだ新大橋の袂には御籾蔵はなかったことになり、
金兵衛長屋への道のりや長屋の場所自体の設定も瓦解してしまう  





ここが六間堀だった


    

「御籾蔵」をめぐって逡巡し、なんか波乱含みの展開になってしまったが、
左:私がはじめに金兵衛長屋ではないかと推定した
第2候補の建物から、森下駅方面へ北進すると
右:八名川公園と八名川小学校があった。
 


    

左:小学校の並びの公園のトイレの前に、江戸切絵図の看板があった。
右:六間堀の説明
【六間堀は、深川村開拓当初、小名木川と竪川を結ぶ水路として
開けたようです。名称は、川幅が六間(約10.8m)あったところから
付けられたもので、地元にとって重要な河川でした。
しかし水運利用の減少によって、昭和26年に埋め立てられました。
六間堀の跡は、道路と宅地になっていますが、歩いてみると、
当時掘割であった頃の様子が、よくわかります。】
 









昼食は深川めしで


    

左:小学校付近を曲がって、もう一つ外側の通りに入った。
古地図によると、カーブした分の建物の列はもともと川だったことになる。
右:食事処発見。出発が遅れたので、もうお昼になってしまった。
 


    

左:深川めし本家 割烹みや古
有名なお店だ。こんなとこにあったのか。
右:本家深川めしの由来
江戸時代の深川では、江戸前のアサリのむき身を
ネギや油揚げと一緒に味噌でさっと煮て、
どんぶり飯に汁ごとぶっかけて食べた。
この深川めしは、池波正太郎の作品
『鬼平犯科帳』にも登場するそうだ。
 


    

店内。
 






深川めしセット1500円。
みや古の深川めしは炊き込みご飯になっている。
熱々の磯の香り、ぬたや漬物も美味しい。
ご馳走さまでした(^人^)  





深川の地名の元になった深川神明宮





割烹みや古からもう1本先の通りに入ると、深川七福神の一つ「寿老人」
として親しまれている深川神明宮がある。
かつては「六間堀神明宮」とも呼ばれていたそうだ。
由来書によると、このあたりは慶長年間(1596~1614)に
摂津国(今の大阪府)の深川八郎右衛門ら6人が開拓した土地で、
八郎右衛門の姓をとって深川村と名づけられた。
つまり深川村発祥の地である。また八郎右衛門は自分の土地の祠に
神明を祀り、これが深川神明宮になった。



    

左:境内。ぎんなんの実の匂いがしている。
小説『居眠り磐音』では、長屋暮らしの磐音がここで剣の練習をする。
右:境内の和合稲荷神社。
 





東六間堀町會の文字が。
宮司さんに六間堀について尋ねたら、以前NHKの「ブラタモリ」が
取材に来たという。そういえば見た記憶があるな(^^;
宮司さんによると、昔は割烹みや古のすぐ前が六間堀川だったそうだ。






割烹みや古でもらった地図。
川があった場所を青く塗ってみた。
こんなかんじだったんスかね?



というわけで、その3では「鰻処宮戸川」を探しに行きますよ(^ー^)ノ







スポンサーサイト


コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック