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激動する社会の波におぼれずに、自分の頭で考え 行動しようじゃないの。 命令されるのなんか 大嫌い。「群れない、媚びない、とんでもない」の猫の精神でがんばっていきまっしょい。
 人類と地球の未来には何が待ち受けているのか 「スーパーコンチネント ~2億5千万年後の地球~」 
2010年12月09日 (木) | 編集 |


■少し前になるが、10月に名古屋で生物の多様性に関する「COP10」会議が
開催され、それに伴ってさまざまな関連テレビ番組が放送された。
その中の1つが、「スーパーコンチネント ~2億5千万年後の地球~」である。
超大陸の形成と分裂を扱った作品で、私もこれまで何回か超大陸について言及したきたが
この作品はとてもわかりやすく作られていたので、私の解説もプラスしながら
以下にごくかいつまんで紹介したい。








10月14日と21日の2週にわたって、前・後編がNHK教育テレビで放送された。
原題:Clash of The Continents
制作年:2010年
国際共同制作:NHK/NHNZ(ニュージーランド)





   

左:地球に1隻の宇宙船が降りようとしている。長い宇宙への旅から帰還したのだ。
冷凍睡眠をしていた旅人(宇宙飛行士)にとっては数十年の旅だったが…
中:地球上では2億5千万年の時が過ぎ、地球そのものの姿も変わっていた。
右:旅人はあらゆる情報を集め、地球に何が起こったかを調べ始める。






これが2億5千万年後の地球の姿だ。
現在の5大陸は移動して、アジアを中心にした超大陸(スーパーコンチネント)
別名・アメイジアが形成されている。
北米とオーストラリア、アフリカがユーラシアに衝突している。




   

左:星の位置も変化している。これが未来の北斗七星だ。
「ひしゃく」ではなく「釣り針」のような形だ。
1年で4センチずつ地球から遠ざかっている月も、今より遠くに見える。
中:旅人は地球に降り立つ決心をした。
この時代の地球はメガ・モンスーンが猛威をふるっていて
宇宙船はキリモミ状態でようやく海に着水した。
右:おや、巨大な山脈の中ほどに何やら見慣れたものが…。






登って近づいてみると、それはスフィンクスだった!
今から1億年後の地球では、アフリカ大陸を乗せたプレートが
ヨーロッパとアジアを乗せたユーラシアのプレートの下に沈みこみ
巨大な圧力がユーラシア大陸を上へと押し上げ
こうした険しい山脈が生まれるのだ。







地球は一定の周期でさまざまな変化を繰り返している。
超大陸・超海洋の形成と分裂もその1つだ。
これは今から2億5千万年前のペルム紀にできた超大陸パンゲア。
大陸の横には超海洋パンサラサが広がる。
この超大陸パンゲアが分裂して、現在の5大陸が誕生した。
なおパンゲア以前にあった超大陸は、ヌーナ(19億年前)、ロディニア(10億年前)
ゴンドワナ(5億5千万年前)である。




   

左:地球はヒビの入った火の玉のようだ。
表面を約10枚のプレートが覆い、少しずつ移動している。
このプレートテクトニクスが作用するのは深さ約700キロメートルまでで
それより深い部分はプルームテクトニクスが作用する世界になる。

中:アイスランドはプレートの誕生過程を陸上で見ることのできる唯一の場所だ。
内部の熱い物質が上昇してできた巨大なふくらみ―ホットスポットの上に形成された。
島はちょうど中央海嶺の上に位置している。

右:ドルテ・ダール・イェンセン教授(ニールス・ボーア研究所 氷河学)
手にしているのはグリーンランドの氷床から採取した「氷床コア」だ。
この氷床コアを分析することで、過去の気候変動を知ることができる。
私たちは今、氷河時代の温暖な「間氷期」に生きている。
人類の楽園は、この温暖な気候の中で作られたのだ。
そしてこの氷床コアから、およそ10万年の周期で氷床が拡大したり
縮小していることも明らかになった。
イェンセン教授「これは地球の軌道がこの周期で変化するためです。
(地球は太陽の周りを公転しているが、この軌道は10万年周期で
楕円から円へと形を変化させる)
この周期の温暖な方の時期は『間氷期』と呼ばれています。
私たちは今、1万1000年以上続く間氷期に生きています。
ほとんどの科学者は、今後10年から10万年の間に
氷河期が戻ってくると考えています。
そうなれば世界は変わってしまうでしょう」




    

海洋の熱循環メカニズム。
現在の地球(左)では、熱帯地方で温められた海水は極地へと流れ
ここで冷やされて深海へと沈み、再び熱帯地方の海面へと戻る。
この循環メカニズムによって、酸素は深海へと運ばれるのだ。
しかし新しい超大陸が生まれると(右)、極地の氷は消失し
循環のメカニズムは崩壊する。
酸素はもはや深海へ行き渡らなくなるのだ。
 






旅人が目撃した未来の海は、
かつてのペルム紀の超大陸パンゲアと同じ、死の海だった。
サラ・プラス博士(スミス大学・古生物学)が解説する。
「海洋の酸素は失われ死の海になってしまいました。
これは生物にとって大打撃でした。
地球の歴史上最大の大量絶滅が起きたのは、このペルム紀末期です」

ドゥーガル・ジェラム博士(ダラム大学・地球科学)も言う。
「超大陸パンゲアがあったペルム紀に陸上の生物の70%が消えました。
しかしもっと重大なのは、海洋生物の90%以上
(「種」のレベルで最大96%)が死に絶えたことです」

酸素がない状態では、複雑な生物は生きられない。
地球は原始の時代へ後戻りだ。
サラ・プラス博士「そうした海では
浜辺はシアノバクテリアに覆われて黒ずんでいるでしょう。
海には紅色硫黄細菌が繁殖し、
海の色は今とはまったく違うものになっているかもしれません」





 

サラ・プラス博士「周りにあるのはストロマトライト。
地球上の太古の生命のなごりです。
ストロマトライトはシアノバクテリアなどの微生物が長い年月をかけて
ごく細かい物質を堆積させてできたものです。
生きているのは上の方の表面だけで、触るとスポンジのよう。
ここに棲みついているシアノバクテリアは、太陽エネルギーを利用して
光合成し、酸素を作り出しています。
シアノバクテリアが地球上に繁栄しはじめたとき、
大気中に酸素が満ち溢れるようになったのです。
シアノバクテリアが絶滅することはありません。
2億5千万年後にはまた再び、シアノバクテリアが表舞台に立つかもしれません」




    

左:では超大陸の陸地はどうだろう?
ピーター・ウォード教授(ワシントン大学・古生物学)は樹木に代わって
笹や竹の樹海になっているだろうと推測する。
なぜなら大気中のCO2が減り、植物が生きにくい世界になるからだ。
その原因は、猛烈なモンスーンのもたらす水の循環の変化である。
海から蒸発した水は雲になり、さらに雨として地上に降り、川になってまた海へ注ぐ。
そして雨は山腹の岩石を細かく砕き、それを海へと押し流す。
「砕かれた岩石は、大気中のCO2を吸収しやすくなります。
大気中からCO2が減ると、地球は冷えます。
強烈なモンスーンによって吸収されたCO2の量は増えるでしょう。
岩石との反応によって大気から取り去られたCO2は、
長い時間をかけて深海の堆積物の中に埋もれます。
たとえ人類が短期間に地球の環境に影響を与えたとしても
自然のこの循環が、数百万年でCO2を大気中から取り除くでしょう。
そしてやがて木の代わりに竹のような草がジャングルを占領するようになるのです」

右:超大陸の大きさはアフリカ大陸の4~5倍にもなる。
さらに内陸部に進むと、巨大な砂漠が世界を覆っている。
大陸の衝突でできた高い山脈が大陸の端をぐるりと囲んでいたら
海から流れ出る湿気は遮断されてしまうだろうし
もし山脈がなくても、大陸の端から流れ込んだ湿気が内陸へ
たどり着くには距離がありすぎるのだ。
そのため内陸部はほとんど雨が降らず、動植物もいない。
70%以上の場所が、ほとんどの動物にとって生存に耐え難いところになるだろう。




    

左:旅人はさらに恐ろしい光景に遭遇した。
超大陸の分裂が始まったのだ。
メカニズムはこうだ。
海洋プレートの潜り込みが超大陸の周りでいっせいに起こり
この潜り込んだ大量のプレートの残骸(スラブ)は
いったん深さ670キロ付近に蓄積する(コールドプルーム)。
次にこのたまったコールドプルームが、雪崩のように
マントルの核境界へ向けて落下する。
するとその反動で、コア・マントル付近からホットプルームが押し出される。
これは「スーパープルーム」と呼ばれる巨大なキノコ雲のような形をした
マントルの塊で、大陸を引き裂き、巨大火山噴火を引き起こすのだ。

悪夢の始まりは火山の噴火だった。
それも普通の噴火ではなく、何百キロ、あるいは何千キロもの長さの巨大な
割れ目から吹き出したもので、割れ目からは真っ赤なマグマが噴出した。
しかも数百万年にもわたって地表は割れ続けたのである。
世界最大の溶岩の層はロシアにあり「シベリア・トラップ」と呼ばれている。
今から2億5千年前、地球史上最大の噴火が、のちにシベリアとなった一帯で
起こり、噴出した量は厚さ3千メートル、面積50万平方キロメートル。
地球全体を10メートルもの厚さの溶岩で覆い隠せるほどの量だった。

シベリア・トラップは分裂していくパンゲアの中でも最悪の位置にあった。
ペルム紀の前の石炭紀に大量に蓄積した石炭の層の上にあったのだ。
この石炭層が溶岩によって1万年以上にわたって燃え続けたため
大量のCO2と石炭の中に閉じ込められていた有害物質も放出されて
地球上の生命にとてつもない悪影響を及ぼしたのだった。

さらに恐ろしいことに、地下に埋もれていたのは石炭だけではなかった。
現在のアラスカでも見られるように、氷の下にはメタンがメタンハイドレートの
形で閉じ込められているが、これはCO2の25倍もの強力な温室効果を持っている。
そして深海には地上の化石燃料の2倍もの、何兆トンものメタンが蓄えられているのだ。
パンゲアの分裂で吹き出した溶岩はすべて海岸へ向かった。
すぐ沖にはメタンがたまった場所が…。

右:それは世にも恐ろしい光景だった。
超大陸の海岸一帯でメタンの大爆発が起こっていた。
旅人は、自分にも終わりの時が来たのを悟った。
そして…。
 






と、なんともショッキングな終わり方だったが
番組の中である科学者がこう語っていた。
「生命の歴史は同じサイクルの連続です。
大量絶滅が起きると、どうにか生き残った種が
新しい生物へと進化するのです。
それはまた未来でも繰り返されるでしょう」と。

さて私自身子どもの頃に、将来は生物学者になりたいと漠然と考えていて
中学と高校1年まで地球と生物の過去未来を知るために生物部へ所属した。
結局道を踏み外して生物学者になりそこなってしまったが(^^;
これからも地球を含めた宇宙のしくみや生命について学んでいきたいと思う。

で、この番組の中で特に興味深かったのが「地球時計」についてだった。
一般には地球の歴史を24時間に置き換えた時計がよく用いられている。
たとえばこのドゥーガル・ジェラム博士(ダラム大学・地球科学)のように。
「地球の歴史を24時間に置き換えると、陸上の生物は夜の22時になるまで
登場せず、恐竜は23時を過ぎないと現れません。
そしてそのわずか40分後には、もう恐竜は絶滅してしまいます。
人類は真夜中の24時まで残りおよそ2秒で登場します。
私たちは真夜中に始まるパーティーの、
まさに直前に現れたに過ぎないのです」 

ところがピーター・ウォード教授(ワシントン大学・古生物学)の考えは違う。
「私はその時計の概念には納得できません。
というのも、現在の時点に到達すると時間が停止すると想定されているからです。
地質学では過去についても未来についても研究しますから、人類の時代が過ぎても
その時計を進ませ、ずっと先の未来まで見通す必要があるのです。
地球時計のたとえを修正しましょう。
地球が存在すると推定される120億年を12時間に設定します。
すると現在は4時半です。
複雑な生物は4時に登場し、5時までしか生きられません。
そして残りの時間で再びバクテリアへと戻っていくのです」








人類の文明の時代は、複雑な生物が生きられる1時間の中の
ほんの1000分の1秒に過ぎない。
そしてその1000分の1秒の間に
人類は世界を変えてしまったのだ。  





■「われわれはどこから来て、どこへ行くのか? われわれとは何者か?」
私たち人間は常にこの謎に直面し、悩み、苦しんできた。
この謎の一端を解くには、宇宙と地球の成り立ちと生命の進化の過程を
知る必要がある。
そして上記にあるように、私たち人類に残された時間はもうあまり多くない。
この与えられた時間を有効に使うのか、それとも愚かな選択によって
これより短い時間で自滅してしまうのか、それは今現在の私たち一人ひとりの
生き方にかかわってくるのだ。

領土問題で周辺国と領海や国境をめぐって争っていても、遠い未来には
その海も国境も島々もなくなってしまうとはお笑いぐさだ。
私たちが生きていた証の数々の文明の痕跡さえ、風化したり埋もれてしまう。

だから私たちがなすべきことは、この冷徹な事実を受け止め、大いなるむなしさを
甘んじて受け入れながら、同じ時代に生きている人間を含めたあらゆる生き物との
平和な共存を図りながら、等しく絶滅に直面した生命体として、地球から与えられた
時間をいかに有効に使って生き延びるかを、考え実行することではないだろうか。
そしてこれこそが、人類に与えられた大きな使命だと私は考えている。





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コメント
この記事へのコメント
スタンディング・オベーション
凄い。
労作に大拍手!
2010/12/11(土) 05:16:19 | URL | 時々パリ(小言コウ兵衛) #-[ 編集]
Re: スタンディング・オベーション
時々パリ(小言コウ兵衛)さま

またまた過分なお褒めをいただき恐縮です。
一番好きな分野ですし(^-^;

本編は長い上に、前編後編で重複している部分があるので
わかりやすく簡略化しました。
また超大陸の分裂の原因であるプルームテクトニクスの説明を
新たに加えておきました。

大陸の集合と分裂についてはご存知の方も多いでしょうが
この作品では特にウォード教授の新しい「地球時計」の概念を
ご紹介したいと思いました。
現在の政治や社会のありかたを考える上でも、過去から未来すべてを
網羅したこの地球時計は一つの大きな指針になると思います。

2010/12/12(日) 17:41:51 | URL | ロキ #.7BbZ8jQ[ 編集]
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