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激動する社会の波におぼれずに、自分の頭で考え 行動しようじゃないの。 命令されるのなんか 大嫌い。「群れない、媚びない、とんでもない」の猫の精神でがんばっていきまっしょい。
 官僚とメディアが支配する日本は、まるで『未来世紀ブラジル』のようだ
2010年09月12日 (日) | 編集 |

■小沢、鈴木、村木の諸氏に対する検察・メディアの不当で執拗な攻撃を見ていると、この日本という国が、小説や映画に描かれた近未来のディストピア世界の悪夢そのものなのではないかといった、やりきれない思いにとらわれてしまう。

今では古典的映画に分類されるかもしれないが、『未来世紀ブラジル』(1985年) (テリー・ギリアム監督 原題は『BRAZIL』)をちょっと紹介してみたい。
この映画はジョージ・オーウェルの『1984年』のオマージュ的な作品で、コンピュータが人々を完全管理している近未来の仮想国家「ブラジル」をキッチュな手法で描いたものだ。ブラジルといっても地理上の現実のブラジルではなく、映画の中で象徴的に流れる「ブラジル」という曲からとったものである。









「20世紀のどこかの話…」として始まる、近未来の架空国家ブラジル。
クリスマスの飾りつけをした電気店のショウウィンドーにはテレビが並べられ
どの画面にも、家庭用空調設備の「ダクト」のCMが流れている。







突然、電気店が爆破される。
反体制派テロリストの仕業だ。
焼け焦げたテレビには、情報省のヘルプマンの姿が映っている。

テレビキャスター「情報省のヘルプマン次官をお招きしました。
爆弾テロが増加している原因は?」
ヘルプマン「それは君、スポーツマン精神の欠如だよ。
まっとうな価値観を持たぬ少数派が、負け戦の腹いせをしておる。
この世はフェアプレイ。それをわかっていない」




    

キャスター「こういう批判もあります。情報省が巨大組織化したためだと」
ヘルプマン「自由社会は情報社会だよ。情報が社会を動かす」
キャスター「しかし、そのコストはGNPの7%ですよ」
ヘルプマン「納税者がそれに不満を抱くことはよくわかる。
だから情報剥奪の手数料制度を設けたのだ。
告訴された者は、拘留期間の衣食住費に加えて、尋問装置の使用料と償却費を払う」
キャスター「政府はテロを制圧できますか?」
ヘルプマン「我々は彼らより意気軒昂だ。
リングの外へ蹴落とし、KOパンチを食らわせておる。勝利は目に見えとる。
テロリストは善良な市民の敵だ」
キャスター「爆弾テロ撲滅運動は、今年で13年目ですよ」
ヘルプマン「コホン。そんなになるか。ハハハ」
キャスター「今晩はどうも」
ヘルプマン「楽しかったよ。ではメリー・クリスマス」
 






情報省の1階ロビー。
見学の人々でごったがえしている。







巨大なオブジェの台にはこう記されている。
「真実は自由をもたらす」







壁のポスター「情報省は市民の味方」







ここを訪れる者をロボットがしつこく監視する。
情報記録局に勤める主人公のサムも例外ではない。







急がしく働く(働くふりをする)情報記録局の職員たち。
天井に「ダクト」が長く伸びている。
ここで描かれるダクトはコンピュータの端末を象徴していて
国内のすべてのダクトは情報省へ繋がり、一括管理されているのだ。







情報省の管理システムや役人の仕事には、1つとして過ちはない(と信じられている)。
ところが記録局の職員が叩き落した1匹のハエが機械の隙間に落ちてつぶれ
テロ事件の首謀者であるダクト修理工「タトル」の名前が
「バトル」に書き換わってしまった。
このミスから大きな事件へと発展していくのだ。







クリスマスを祝う労働者階級の靴職人「バトル」の家。
頭上には奇怪な形をしたダクトがうねっている。
貧しい家ほど露骨にダクトが侵食し、支配している。
金持ちの家にはダクトはないか、見えないように背後に隠されている。
そしてバトルはこの直後、情報省のミスによってテロリストの「タトル」と
間違えられて強制逮捕され、厳しい尋問で殺されてしまう。







この取り違えミスの後始末を命じられたサムは
靴職人バトル逮捕の異議申し立てに情報省へやってきた労働者階級の美女ジル
(夢の中でいつも出会っている美女とそっくり)の正体を知るために
これまで断ってきた情報剥奪局への昇進を受け入れる。
だがジルや反体制テロリスト・タトルとの出会いによって
情報省から危険人物とされたサムは逮捕され、人格改造の処置を受ける。
ジルとの幸福な逃避行が、結局は処置による夢想にすぎなかったことが
明るく軽快な「ブラジル」の曲に乗って明らかになるラストシーンは
あまりに衝撃的で、映画『ブレードランナー』のラストとも重なり合う。






■タイトルの『未来世紀ブラジル』のブラジルを日本とかアメリカに変えてもなるほどと納得できる部分も多いし、情報局を霞が関に置き換えても違和感はない。テレビ局、新聞社でもいいだろう。

この映画ができた当時と違って、現在はインターネットの大幅な普及で個人でもさまざまな情報を知ることが可能になり、これまで正義の象徴だった検察やメディアの本当の顔が次第に明らかになってきた。
だが依然として、あいまいな「世論」や「民意」に扇動され、真相が隠蔽される状態が続いていることもまた事実である。
これからもこうした権力組織と個人との間の情報戦は、ますます熾烈になっていくことだろう。



■余談だが、金城武の映画『アンナ・マデリーナ』の中でも、このブラジルの曲が効果的に使われている。その音楽についての解説部分を引用すると…

 第4章、映画は失恋したガーフが気ままに書き綴った空想の世界へと展開する。そこでガーフとマンイーは幼なじみのゼロとバツ(マルとバツ?)として登場するのだが、タイプライターのSEにのって流れてくるのが「セントラル・サーヴィス」である。現在映画音楽界の大御所となりつつあるマイケル・カーメンがまだ若い頃に書き下ろした作品で、オリジナルは「未来世紀ブラジル」(1985年)の中で使われた軽快なナンバー。その映画ではブラジルの主人公サムが働く情報省記録局のオフィスの慌しい様子を演出していたが、「アンナ・マデリーナ」ではゼロとバツが空想の中で行動するシーンを早送り的に描写していく。



また『未来世紀ブラジル』の有名なシーンは、夜毎の夢の中でサムが銀色に輝く中世の甲冑に身を包み、やはり大きな銀色の翼で羽ばたき天かけながら、天空の檻に囚われている美女とキスをかわす幻想的な場面だが、金城武の別の映画『ラベンダー』では、金城自身が天使に扮して天空を羽ばたきながら、地上を走る列車の窓から身を乗り出した恋人と別れのキスをする哀しく美しいシーンが印象的である。
これもブラジルへのオマージュなのではないかと、私は考えるのだが…(^^;




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