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激動する社会の波におぼれずに、自分の頭で考え 行動しようじゃないの。 命令されるのなんか 大嫌い。「群れない、媚びない、とんでもない」の猫の精神でがんばっていきまっしょい。
 必読! 長谷川幸洋『日本国の正体 政治家・官僚・メディア―本当の権力者は誰か』
2010年01月28日 (木) | 編集 |


■こんな時だからこその必読の書である。
政治家の背後から日本を動かしている本物のご主人様である官僚と、その官僚に取り入って応援団の役割を果たしているマスメディア(記者クラブメディア)の正体を正しく知って、国民の手に政治を取り戻そう。

■本の帯にはこうある…
「私はかつて官僚のポチだった」
政府税調委員も務めるエリート記者が本音で綴った懴悔録。

また佐藤優氏の書評も…
「長谷川幸洋氏は、中日新聞(東京新聞)のやり手経済記者だ。政官の内幕を書いた本は、それこそ本屋に山ほど並んでいるが、本書には類書と異なる深さ、鋭さがある。
 長谷川氏には、高橋洋一氏の窃盗事件、中川昭一財務大臣の朦朧会見による失脚、小沢一郎民主党代表の公設第一秘書が逮捕された事件が『一つの糸』でつながっていると読み解く。それは霞が関官僚の自己保身と利権保全だ」



<目次>

第1章 官僚とメディアの本当の関係
・新聞は何を報じているか
・不可解な事件
・霞が関の補完勢力になった新聞
・転向の理由
・政権を内側からみるということ

第2章 権力の実体
・政治家と官僚
・「増税」をめぐるバトル
・財務官僚の変わり身
・福田首相の本心
・事務次官等会議

第3章 政策の裏に企みあり
・「政策通」の現実
・カネは国が使うべきか、国民が使うべきか
・定額給付金は「ばらまき」か
・「官僚焼け太り予算」を点検する
・政策立案の手法
・「専務理事政策」とはなにか

第4章 記者の構造問題
・記者はなぜ官僚のポチになるのか
・真実を報じる必要はない?
・「特ダネ」の落とし穴
・記者は道具にすぎない
・官僚にとっての記者クラブ

第5章 メディア操作を打破するために
・霞が関幻想
・先入観としての「三権分立」
・「政府紙幣発行問題」の顛末
・記者が陥る「囚人のジレンマ」
・報道の力を取り戻すために





■左の絵は、うちの宿の廊下に飾ってある『グレムリン』の映画ポスターだ。
小さな子には怖いと評判悪いが(^^; 官僚とは、普段はかわいらしいモグワイのギズモと一体化しているように見えて、夜中に食べたり水がかかったりすると、一転してグレムリン(小鬼)に変身して凶暴で残酷な本性をあらわすといった存在にたとえられようか。

ちょうどこの絵のように、官僚は常に政治家の影のようにぴたりと寄り添い、その姿を表にあらわさない。

■歴代の政治家たちはこんな官僚に抵抗してつぶされるか、あるいは早々にあきらめてその軍門に下ってきた。


こんなエピソードが記されている。
08年1月、ダボス会議からの帰途、当時の渡辺行革相は公務員制度改革について福田首相に報告したが、福田は「その報告は受け取らないと頑なに拒否を続けた。結局中川幹事長がかけあい受け取ってもらえることになったのだが、このとき福田は―
【最終的に出来上がった報告書を岡村正座長(東芝会長)が首相官邸で手渡すと、驚くべき発言をした。福田は「日本は政治家が弱いんですよね。こういう国では官僚が強くないといけないんです」と言ってのけたのである。】

またこんな情けないエピソードも―
【複数の閣僚経験者は私にこう明かしてくれた。「閣議は『お習字大会』のようなものなんだよ」】
つまり官僚が事前に了承した案件だけが閣議に上がってくるので、政治家はただ毛筆で署名するだけということなのだ。政治家たちに議論したり拒否する選択肢はない。



■本書には痴漢(冤罪)で不当逮捕された植草氏については言及がないが、同様のケースで書類送検された高橋洋一氏が罠にはめられた理由が書かれている。当時高橋氏は、中川氏の朦朧会見事件の前に政権中枢に、景気対策として「政府紙幣発行」の政策を売り込んでいた。
この案に安倍・菅(すが)両氏は興味を持ち、議員連盟の結成に動いて麻生首相にもブリーフした。
この動きに財務省は危機感を抱き、そしてあの朦朧会見事件が勃発したのである。

なぜ財務省は政府紙幣に反対したのか。

 まず、政府紙幣は財務省のバランスシートの上では債務になるが、国債を発行するわけではないので、償還する必要もなく財政赤字は増えない。それは、財務省にとっては好ましくない。なぜなら、増税を狙う口実が弱くなってしまうからだ。
 財務省の最終的な目標はこれまで何度も説明してきたように、増税である。
 財務省にとっては、政府紙幣で景気対策の財源を賄って赤字国債を出さずに済ませるよりは、いっそ赤字国債を大量に発行して借金を膨らませたほうがいい。
 目先の財政赤字が大きくなれば、将来の増税を訴える口実になるからだ。「国の財政は赤字が増えて大変です」と新聞記者に訴えて、財政再建の必要性を大キャンペーンし、将来の増税を確実にしたほうがよかったのだ。
 いったん政府紙幣を発行すると「赤字国債の追加発行なしで財源を賄える」ことが明らかになってしまう。そうなれば「借金は塩漬けにすればいい」という議論が高まるかもしれない。そんな事態を恐れていたのである。



■私も何度か政府紙幣の発行や日銀の国債引き受けがいいんじゃないかと書いてきたが、なるほどこんな理由で潰されてきたのかと妙に納得した。

また著者は記者クラブ制度など、現在のメディアのあり方を批判しながら、その打破方法についても提案している。日本のメディアの特異性に関しては―

 米国のニューヨークタイムズが日本の小沢秘書逮捕事件について、興味深い記事を載せた。同紙は秘書逮捕が民主党に大きな打撃を与えたと伝えたうえで「日本のメディアは国家権力と親密でありすぎる点を長い間、問題視されてきた」と指摘した。小沢側に献金した同じ会社が与党議員にも寄付をしていた調査記事を掲載した東京新聞記者が3週間、検事から取材の出入り禁止処分を受ける一方、タイムズは記者クラブに所属していないことを理由に、取材を拒否されたことも報じている。
 同紙は記者クラブに加盟しておらず、東京で取材する記者の数も当然ながら、日本の新聞に比べて圧倒的に少ない。日本の新聞のように献金事件をめぐる速報競争には、もちろん参加していない。記事は中西輝政京都大学教授や宗像紀夫元名古屋高検検事長のコメントを紹介し、事件が引き起こした背景や問題点を分かりやすく伝えている。
 その中で、中西教授は次のように語っている。
「マスメディアはなにが危うくなっているのか、人々に伝えることに失敗した。日本は政府を変えて、政治的麻痺状態を打ち破る絶好の機会を逃そうとしている。それも人々がそのことにまったく気付かないうちに」
 宗像元検事長のコメントは次のようなものだった。
「私が検事だったころは気分がよかった。だが、いまは一人の市民として騙されたように感じる」




■「あとがき」で著者はこう語りかける。
【霞が関の官僚機構は日本の縮図ではないか。……本音と建前、表舞台と舞台裏の使い分け、先例重視、年功序列の縦社会、よそのことには口を出さないが、自分のことにも口を出させない縄張り意識など……明治維新以来……日本という「国のかたち」を作り上げてきたのは霞が関である。……だから根本に遡って考えると、霞が関を批判するのは、実は私たちの社会そのものを批判することにも通じる。】と。


■全体の内容としては、小泉・竹中をはじめ歴代の自民党の閣僚にやや甘めな見方をしているし、米国と日本の関係にまできちんと踏み込んで批判分析をしていないところが不満だが、ご主人様である官僚とポチ化していくメディアの心の軌跡などが実際の体験に沿ってリアルに描かれており、実に臨場感にあふれていて秀逸だ。
ぜひこの本を読んで、私たち国民がこれまで知らなかった、知らされていなかった日本の真実の姿にふれてほしい。





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