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激動する社会の波におぼれずに、自分の頭で考え 行動しようじゃないの。 命令されるのなんか 大嫌い。「群れない、媚びない、とんでもない」の猫の精神でがんばっていきまっしょい。
 人の死の定義は多様な方がいい
2009年06月19日 (金) | 編集 |



衆院本会議で臓器移植法改正A案に投票する議員(18日午後)。
与党や民主党などは「死生観にかかわる」として党議拘束をかけず、
議員個人の判断で投票した。
民主の鳩山代表、公明の太田代表も反対票を投じた 【時事通信社】




■昨日も臓器移植法改正A案が衆院を通過したことに触れたが、「脳死は人の死」を
前提にしたA案はやはり問題を内包しているので、さらなる議論を尽くすべきだと思う。

■昨夜のニュースで衆院の投票の様子を見ていたら、A案が可決した際、97年の臓器移植法
から関わってきた自民党の中山太郎氏と小泉元首相がニコニコ顔で握手している場面が
映った。なるほどね~(゜~゜)ってかんじだ。

今朝の新聞のA案賛成議員の声の中にもこの中山氏の言葉が載っていた。

     朝日新聞 6月19日
      http://www.asahi.com/special/zokiishoku/TKY200906190008.html

        中山氏「ようやく世界水準」―移植法A案賛成議員の声

◆中山太郎・元外相 13年前、(脳死を人の死として臓器移植を認める)最初の法案(中山案)を出した時は、参院の修正が、日本では移植ができなくなる原因になった。この状況の打破のため、新しい法案を出した。(現行法では)国内での提供もなく、海外渡航もなくならない。人道的な問題だった。この法案が通れば、死を待つ人を助けられる。(衆院通過は)感無量だ。ようやく日本も世界水準で移植ができる、安心できる国家になる。(以下略)

 



■世界水準――グローバリズム。米国基準。構造改革、新自由主義…。
一気に小泉時代に引き戻されたような気分になる。

この臓器移植法改正案は来週参院で審議入りすることになった。

     朝日新聞 6月19日   
      http://www.asahi.com/politics/update/0619/TKY200906190177.html

      移植法改正A案、来週参院審議入り 有志独自案と並行で

 臓器移植法改正案が来週、参院で審議入りする見通しとなった。民主党幹部が、19日の参院議員総会で明らかにした。衆院で可決された臓器提供を増やすため「脳死は人の死」とする案(A案)と、臓器移植に慎重な参院の有志議員らの独自案が並行して審議されるとみられる。

 両案は24日か26日の参院本会議で趣旨説明の予定。民主党の輿石東参院議員会長は19日の議員総会で「きちんと議論し一つの方向性を出さなければいけない」と述べ、一定の時間をかけたうえで今国会中に結論を出すべきだとの考えを示した。

 独自案は民主、社民両党の議員が中心になって検討。A案は臓器提供者の年齢制限を撤廃する、独自案では子どもからの提供の可否を有識者が検討する「こども脳死臨調」の設置を盛る方向だ。




■私個人の意見では、提出された4案のうちよりベターなのはD案だと考える。
これは「脳死は人の死」と定義せずに、0歳から移植可とする案だ。
ただしD案は臓器提供の条件を15歳未満は家族の同意と第三者機関の確認でOKと
しているが、15歳未満でも提供拒否の意思表示が確認できた場合は本人の意向を
優先させなければならないと思う。
たとえ子供だろうと本人意思は真っ先に尊重されるべきだ。
私も小学校の低学年の頃には死について考えるようになって、夜眠ったまま死んでしまった
らどうしようと思い、怖くて目を閉じられないなんてこともあった。
大人が考えているよりも、子供は多くのことを思考しているのだ。





    




■何を持って人の死と判断するか。
従来の死の判定は、呼吸停止・心臓停止・瞳孔拡大の3つを根拠にしてきた。
これに近年脳死という概念が加わったわけだが、脳の仕組みについてはまだまだ
未知の部分が多い。
DNA判定だって初期の頃と現在とでは精度に格段の差があることは、足利事件によって
広く周知された事実であり、脳死についても新たな解釈が出てくる可能性も少なくない。


■マンガ家の故・手塚治虫はさまざまな作品の中で、生と死について繰り返し問い続けた。
たとえばあまり知られていない小品の中にも、そうした思いが込められている。

まずかなり古い作品で、「ライオンブックス」シリーズの中の『ガラスの脳』。
これは映画化もされている。
臨月の母親が電車事故に遭遇、脳死状態になりながら奇跡的に女の子を出産する。
だがその子、由美も生まれてからずっと眠ったままだった。
呼吸もちゃんとしているので脳死ではないが、悲劇の主人公として取り上げていた
マスコミも興味を失った17年後に、由美は突然意識を取り戻す。
そして5日間だけ目覚めて、その5日間で一生分を生き、彼女をずっと見守ってきた雄一と
結婚し再び長い眠りにつくというファンタジックなラブストーリーだ。
最後は共に年老いた由美と、眠ったままの彼女に寄り添う雄一の姿。
62歳で亡くなった由美の脳は解剖に付されるが、世の中の醜さ悲しさから無縁だった
由美の脳はガラスのように美しかった。


これも異色シリーズの『ミッドナイト』。
深夜タクシーの運転手、三戸真也(みと しんや)、通称ミッドナイトが主人公だ。
車の事故で恋人を脳死状態にしてしまい、その入院費を払うためにタクシードライバーに。
作品中にブラック・ジャックも登場するので、なかなかマイナーな名作でもある。
人工呼吸器をつけたままの恋人の治療をめぐって試行錯誤をする点も興味深い。
そして最終話には衝撃的なラストが待っている。
ミッドナイトの彼女はブラック・ジャックの手によっていかにして蘇ったか。
この単行本未収録の幻の最終話は、長い歳月を経てようやく日の目を見たという秘話を持つ。


■手塚作品にはまだ臓器移植があまり知られていない頃から、未来を先取りするように
頻繁に移植シーンが登場してきた。
その一方で脳死や植物状態になった人々を、たとえ意識はなくとも同じひとりの生きた
人間として尊厳高く描き続けた。
だからこうした作品群の中に、人の死とはそして生とは何かの答えのヒントを見出すことも
可能だろう。そして心しておかなければならないのは、死とはこれこれであるという
イエスかノーかといった二者択一の答えを、決して導き出してはならないということだ。
それはあまりにも、すべての生命に対して傲慢な態度であると思えるからである。




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