
2009年06月18日 (木) | 編集 |

■1997年に成立した臓器移植法。
12年ぶりに改正4法案の採決に入り、衆院でA~D案の4つのうち最初のA案が可決された。
左の図は読売新聞より。
■A案は、「脳死を人の死」と認め、年齢制限なし、家族の同意があれば本人の意思確認不要で臓器移植ができる。
B案は、提供条件は現行のままで年齢制限を12歳以上に引き下げる。
C案は、年齢制限は変えずに脳死の定義を厳格化する。
D案は、15歳未満は家族の同意で提供できる。しかしながら「脳死は人の死」という考えは社会的認知を受けていないので、従来通り15歳以上は本人の意思表示が必要。
そしてA→B→C→Dの順で記名投票を行い、最初のA案が過半数を得たため可決されたというわけだ。
■97年成立の臓器移植法は3年後に見直しの予定だったが、ずるずると12年の歳月が流れ
その間にドナーを待ちながら亡くなった患者や海外移植の手段を取らざるを得なかった幼児の
例などさまざまな問題が噴出した。
また今回の採決に際しても、人の死についての議論が相変わらずおざなりにされたままで
今後は修正意見も噴出しそうだ。
野党が多数の参院では今回のA案に批判的な議員が多く、廃案になる可能性も少なくない。
■97年に臓器移植法ができたときも脳死をめぐって議論の対立があり、私は脳死=人の死と
考えていたのだが、心臓死=人の死と主張する知人の意見を聞いて簡単には結論できない
問題だと改めて思った経緯がある。
日本ではまだまだ死について公に考えたり語ったりすることをタブー視する傾向があるが
国民ひとりひとりがこの問題について考え、広く議論できる土壌を早急に作っていく必要が
あるのではないか。
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