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激動する社会の波におぼれずに、自分の頭で考え 行動しようじゃないの。 命令されるのなんか 大嫌い。「群れない、媚びない、とんでもない」の猫の精神でがんばっていきまっしょい。
 金木犀(キンモクセイ)の香り
2010年10月06日 (水) | 編集 |

■暑い夏がようやく終わり9月の末に久しぶりの雨が降ると、開けた窓から
キンモクセイの芳香が家中に漂ってきた。
外へ出ると、町中が甘い香りに包まれている。
どこから香ってくるのかたどっていくと、うちの裏庭のキンモクセイだった(^^;
花は3日ほど前まで薄い黄色で目立たなかったが、すぐに濃いオレンジへと変化した。














■このキンモクセイのねっとりと甘い官能的な香りをかいでいると、
G・ガルシア=マルケスの短編『失われた時の海』の一節が思い浮かんでくるのだった。


 海が荒れ、水を含んだ塵芥を村に打ち上げはじめるのは一月の終わり頃である。二、三週間もすると、そこはなんとも不快な土地に変わり、少なくとも次の十二月までは人の住めたところではなくなる。夜の八時を過ぎると、村人は寝静まってしまうが、ハーバート氏のやって来た年だけは、二月に入っても海は荒れなかった。それどころか、日毎に波が穏やかになり、燐光を放ちはじめた。三月になると、夜はバラの芳香が漂ってくるようになった。
 トビーアスはその匂いを嗅いだ。蟹を殺すのがかわいそうだったので、微風が吹き、眠れるまでのあいだ、ほとんどひと晩じゅうベッドに這いあがってくる蟹を払い落としていた。寝苦しい夜を過ごしているうちに、いつのまにか空気の微妙な変化にも敏感になってきた。ドアは閉まっていたが、バラの香りが漂ってきたときは、それが海からのものだとすぐに分かった。  (鼓直・木村榮一訳)







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