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 なぜ今発表? アフガンに1兆ドル規模の鉱物資源と米政府
2010年06月17日 (木) | 編集 |

■未だに出口の見えないアフガン戦争。
そんな中、戦争継続の理由を新たに言い募るかのように、米政府がこんな報告を発表した。


   CNN 6月15日
     http://www.cnn.co.jp/business/AIC201006150008.html

     アフガンに1兆ドル規模の鉱物資源 米政府機関が発表

 米国防総省と米地質調査所(USGS)は14日、アフガニスタンに鉄、銅、金、リチウムなど、1兆ドル規模の鉱物資源が埋蔵されているとの報告を発表した。
 これらの資源はテクノロジー分野で世界的な需要があり、収益源としての期待も高い。だが、関係者らは、立地やインフラの状況、反体制派武装勢力の存在などの問題点を指摘し、実際に利益を生むまでには長い時間が必要だとしている。

 国務省のクローリー次官補(広報担当)は会見で、「アフガニスタンに豊富にあるとされる鉱物を実際の収益に転換するには数年かかる」「採鉱には多くの課題があるが、克服不可能ではない」と語った。
 同次官補は、他の国々がアフガニスタンの資源を搾取するのではとの質問に対し、国内の汚職が問題となる可能性があるとの認識を示した。そのうえで、「アフガニスタンが有効な政府制度を確立し、鉱業を発展させ、その収益が国民の繁栄と機会拡大に生かされるよう、我々も支援していきたい」と語った。

 USGSのメドリン氏によると、USGSは2004年にアフガニスタンの鉱物資源調査を開始した。USGSはその前に、旧ソ連が1980年代に作製した地図など、アフガニスタンの数百の鉱脈を示す情報を入手していたという。
経済専門家らは、今回の発表の経済的意義を指摘する。採掘や加工が始まれば、アフガニスタンは自力で経済発展を遂げ、米国などに頼る必要はなくなるという意見もある。

 米紙ニューヨークタイムズの報道によると、国防総省の内部メモでは、アフガニスタンが「リチウムのサウジアラビア」になったと評されている。リチウムはノートパソコンのバッテリーなどに使われる。リチウムの正確な埋蔵量は不明。




■アフガニスタンは資源の乏しい国なんていうのは大嘘で、古代からアフガンのラピスラズリ
(青金石)は有名で、シルクロードの終点である日本の正倉院にもラピスラズリを使った
「紺玉帯」(下の写真)が納められている。
絵の具のウルトラマリンブルーもラピスラズリから作られ、とても高価なものだった。
この他にもトルマリンやルビー、エメラルド、アフガン石、アクアマリンなどの産地でもある。









■そもそもアフガニスタンは19世紀初頭から、インドの植民地化を進めるイギリスと
インド洋を目指して南下するロシアとの間の、いわゆる「グレートゲーム」の争奪地と
して争われた。
日本の幕末・明治維新も、この両国のグレートゲームのコマの1つとしてとらえると
わかりやすい。その後いく度かの休止期間をはさんでゲームは続けられ、プレーヤーも
新たに交替しながら「新グレートゲーム」として現在も展開されている。










■01年の9.11事件をきっかけにアフガンへ侵攻してからすでに8年半を超え、
ベトナム戦争を抜いて米国史上最長の戦争となっている(厳密には正規の「戦争」とは
いわないのかもしれないが)。

そして戦争の名目にはたいてい「テロとの戦い」とか「民主化」が掲げられているが、
真の目的の大部分は資源狙いや利権がらみである。

上の地図を見ると、アフガニスタンに接する北にトルクメニスタン(黄色く着色)が位置する。
で、そのトルクメニスタンに面しているのがカスピ海だ。
近年このカスピ海(正確には湖)の海底と周辺諸国には「第二の中東」と呼ばれるほど豊かな
石油・天然ガスが埋蔵されていることがわかり、パイプラインの敷設を巡って各国で熾烈な
戦いが繰り広げられている。


■この新しいカスピ海資源争奪戦の主なプレイヤーは米国とロシアである。
90年に入り、米国大手の石油企業ユノカルは非ロシア・ルートとして、この地域最大の
生産国であるトルクメニスタンからアフガニスタンを経由してパキスタンへ至る天然ガス
パイプライン・プロジェクトを計画。当時のアフガニスタンのタリバン政権と積極的に交渉し
CIAもタリバンを支援した。
ところがしたたかなタリバン政府は「ユノカル」とアルゼンチンの石油会社「ブリダス」の
2社を天秤にかけて通行料を吊り上げていった。

交渉は進まず、世界からは女性蔑視とタリバン政権への非難の声が高まり、また米軍と
オサマ・ビン・ラディンとの間の報復攻撃もあって、ユノカルの計画はいったん中止に
追い込まれた。
またトルクメニスタンの独裁者ニヤゾフ大統領の非ロシア・ルートへの無関心ぶりも、
この計画頓挫の原因の1つであった。


■そんな折、99年にアゼルバイジャン沖で大規模な天然ガスの埋蔵が発見され、程なく
トルクメニスタンがロシア・ルート優先に傾く。
そして00年にはカザフスタン沖の大規模カシャガン油田が発見され、ロシアのプーチン
政権はカスピ海沿岸諸国との関係を強化して、協力なエネルギー政策を推進していく。
その他にもイラン・ルートや中国ルートなどの計画が次々に立ち上がった。

こうした情勢の中で9.11が起き、そしてアフガン侵攻が始まったのである。
日本の小泉政権もこの石油利権獲得にいち早く参入するため、アフガン戦争に賛同した。
米国に追従した各国の思惑も同じだった。
そしてブッシュ、ライス、アフガンの傀儡カルザイもユノカルと深い関係を持っている。


■カスピ海資源をめぐる各国のパイプライン・プロジェクトの攻防戦はあまりに複雑怪奇で
頭が混乱してしまい、一言で説明するのは難しい(^^;
しかしはっきりいえるのは、「テロとの戦い」だの「民主化」だのの大義名分でいくら
飾りたてようと、本音は資源狙いそのものでしかないということだ。
資源をより多く獲得して儲けるためにアフガンの多くの人々の命を犠牲にする、こんな戦争を
断じて許してはいけない。


■タイトルのアフガンの鉱物資源とカスピ海資源と、話が分離してしまった(-"-;)
この時期に鉱物資源の存在を発表した思惑とは、最初に書いたように泥沼の戦争を正当化し
継続させるための新たな理由付けなのか、それとも撤退へ向けた布石なのか。

もし後者であるなら、記事の中の「採掘や加工が始まれば、アフガニスタンは自力で経済
発展を遂げ、米国などに頼る必要はなくなる」という言葉をちょぴり信じてみたい気もする。








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