FC2ブログ
激動する社会の波におぼれずに、自分の頭で考え 行動しようじゃないの。 命令されるのなんか 大嫌い。「群れない、媚びない、とんでもない」の猫の精神でがんばっていきまっしょい。
 これからの経済戦略は「女性の力」がカギ
2010年01月05日 (火) | 編集 |

■鳩山政権が打ち出した初の「新成長戦略」。
しかしながら環境や介護関連では経済成長は期待できない、
やはりこれまでの大型公共工事でなくてはダメだ、といった声が大きい。
本当にそうだろうか?

民主党が掲げる「コンクリートから人へ」というパラダイムシフトを
受け入れられない人々はあくまで道路やダム、箱物建設にこだわるが、
それは環境や介護が、いわば「女の領域」であることから、発展とか
成長といった内容とイコールには考えられないからだろう。

だが歴史が不可逆であるように、新しい世界構造の中を生き抜くには
新しい発想と方法が不可欠なのだ。


■私は時おりテレビの「NHKスペシャル」を見るのだが、これからの日本の
進路のヒントになるような番組の内容もいくつか記憶している。
その1つが、08年7月に放送した「インドの衝撃」の第1回「“貧困層”を狙え」である。
以前番組を見ながら簡単にメモったものを参考に記してみたい。



    

▼インドの人口は11億人。そのうち7億人が農村に住み、大部分が貧困層だ。
インドは21世紀に最も発展する国といわれながらも、都市から離れた農村を
市場にするのは難しく、これまではいわば手つかずの状態だった。
そこに注目したのが、日用品の大手多国籍企業「ユニリーバ」である。

ユニリーバは90年代にインドに進出。
ムンバイにあるヒンドゥスタン・ユニリーバは、農村での貧困層ビジネスに成功して
年間3200億円を売り上げている。
農村の1世帯あたり年16万円を消費するので、全体では25兆円市場になる。


▼成功のカギは、使いきりの1袋1ルピー(2.5円)という貧しい人でも買える商品を
開発したところにある。洗剤でもシャンプーでもコーヒーでも皆1袋1ルピーだ。

たとえば「せっけん」の場合、インドの農村では6割が使ったことがなく、せっけん自体を
知らなかった。自給自足の生活なので、からだや髪も灰や泥で洗う。
つまり商品を売ろうにも、そもそも使う習慣がなかったのだ。


▼そこでヒンドゥスタン・ユニリーバは6年前から、ある教育プロジェクトを開始した。
学校でせっけんを使うのが衛生にいかに大切かを教育するのである。
マンガのバイ菌マンみたいな「バイ菌魔王」といったキャラクターを使って、子どもたちの
興味を引いていく。そう、習慣を変えて商品を売るには子どもたちが1番のターゲットであり、
最も有効なキャンペーンの対象なのだ。

学校で教わった子どもたちは家に帰って、習ったことを両親に話す。
「せっけんを買うな、あの会社のがいいんだって」
「食事の前やトイレのあとはせっけんで手を洗ってバイ菌から身を守ろう」
こうしてせっけんの必要性は口コミで広まっていくのだ。

これまでヒンドゥスタン・ユニリーバは4万を超える村でこうした教育キャンペーンを
行ってきた。今後もインド各地で展開する予定だ。


▼さて次に必要なのは流通である。
農村にはそもそも商品を売るためのマーケットがない。
そこでヒンドゥスタン・ユニリーバは7年前からのプロジェクトで、貧しい村の女性の
ネットワークを使って商品を売り込むことにした。

女性たちは村のことをよく知っているので、誰にどの商品を売ればいいのかがわかる。
「4個せっけんを買ってくれたら1個おまけするわ」と言えば、みんなが買ってくれる。
女性の持つ力でセールスを展開するわけである。
こうしてヒンドゥスタン・ユニリーバは、農村の女性45000人と契約を結んだ。


▼インドの農村の女性の多くは学校に行けずに教育の機会を奪われた結果、農家の作業しか
できない。そのような仕事の経験のない女性たちにセールスを教えることで、意識改革を
するわけである。お金を儲ける意義だとか、ビジネスの強さとはお金である等々。
セールス・トークや計算のしかたも、ヒンドゥスタン・ユニリーバの社員が手取り足取り
丁寧に教えていく。

こうして初めて商品が売れたとき、自分のお金を得た喜びに女性たちの顔は一様に輝く。
農村の女性販売員は、1年で30万円の売り上げを出す。
ヒンドゥスタン・ユニリーバのシャンプーの売り上げの半分以上を、今では貧困層が買って
いる計算になる。(以上)


    



■これまでの日本を支えていた外需産業が頭打ちになって、経済が伸び悩んでいるわけだが
上のヒンドゥスタン・ユニリーバの成功例を見ればわかるように、これまで企業が参入しな
かった分野に目を向けて発想の転換をすれば、市場は無限に広がっていくのではないだろうか。

そしてここが大切なのだが、ヒンドゥスタン・ユニリーバが成功した理由は、単に市場として
開拓するだけでなく、農村の衛生改善や女性の地位向上も同時に成し遂げるのを目的にした
結果、当地の多くのNPOやNGOの協力を得て、事業の成功を手に入れたということだ。

また今後開拓できる可能性を持った地域も、中国やインドをはじめとしたBRICSの他にも
ベトナム、インドネシアなどのVISTA、エジプト、イランなどのNEXT11といった
新興国や途上国と実に数多い。



■同様のことは、バングラデシュにおけるグラミン銀行のマイクロクレジットを活用した
貧しい女性たちの起業運動や、日本の資生堂美容部員の中国での「おもてなしの心」の指導
努力にも見て取れる。
このようなこれまで省みられることのなかった分野での、その地域が抱える社会的課題の
解決や意識改革も目的とした長期的視点を持ったビジネスこそ、これからの日本が目指す
べき方向であり、まさに「コンクリートから人」への転換に即したものではないだろうか。
そしてそこで常に求められるのは、女性の視点に立ち女性の潜在的な能力と活力を引き出す
方向を持ったビジネスであるということだ。
世界の人口の半分を占める女性の力と知恵を動員することで、必ずや現在の行き詰った
社会を突破することが可能になるに違いない。







スポンサーサイト