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激動する社会の波におぼれずに、自分の頭で考え 行動しようじゃないの。 命令されるのなんか 大嫌い。「群れない、媚びない、とんでもない」の猫の精神でがんばっていきまっしょい。
 高村薫の小説『李歐』を読んだ
2009年12月14日 (月) | 編集 |


■最近は本をあまり読まない人が増えている、とはよくいわれることだが、自分自身を振り返ってみても読書量は確実に減少している。
仕事の拘束時間が長いのと目の調子が悪いのが主な原因だが、かろうじて目を通している本類の中でも、ことに小説の類を近年ほとんど読んでいないことに思い至り、われながらあきれた次第である

で、そのまれな小説の1冊を珍しく(^^;読了した。高村薫の(実は高村の作品も初めて読んだ(;^ω^A )『李歐(りおう)』である。
なぜ初高村作品にこの『李歐』を選んだかも定かではない。というか、その理由も曖昧模糊の霧の中である。わはは。
気がついたらなぜか注文した本が届いたので、なんとなく読んだわけである。そうしたら、これがまた後を引くというか、読み出したらその先が気になってたまらない。そして、この度めでたく読了した。万歳!


■そうそう、もとをただせばスパイ小説を読みたいと思ってググったら、この作品がヒットしたのだった。今ふと思い出した。健忘症だ。やばいなあ
で、李歐っていうのは主人公の一人、美貌の殺し屋というかスパイの名前だ。そして内容的にはスパイものというより、むしろ全編を通して道しるべ的な役割で登場する吉田一彰(よしだかずあき)とのバディ(buddy)ものだったのだ。げげげ。
本の帯にもあるように、「李歐よ君は大陸の覇者になれ。ぼくは君の夢を見るから――」っていう怪しいコピーに、まず目を奪われた。ふ~む、高村薫の作品ってお堅い経済小説が主だとずっと勘違いして思い込んでいたので、その思い込みのギャップを解消させるのにちょっと手間取った。
しかし読んでみれば、緻密で論理的で、私好みの文体だったので満足。ことに旋盤工場や拳銃の部品の過剰とも思えるマニアックな描写には感心させられた。そう、まるで緻密な背景描写と計算されつくしたストーリーを持つ青池保子のマンガ『エロイカより愛をこめて』を読んでいるような気分に浸ってしまった。
確かに両方ともスパイと拳銃、アクション、そして美青年がキーワードだけどね


■本の裏表紙にあった紹介文によると、
【惚れたって言えよ――。美貌の殺し屋は言った。その名は李歐。平凡なアルバイト学生だった吉田一彰は、その日、運命に出会った。ともに22歳。しかし、2人が見た大陸の夢は遠く厳しく、15年の月日が2つの魂をひきさいた。
『わが手に拳銃を』を下敷にしてあらたに書き下ろす美しく壮大な青春の物語。】

作品中に何度も象徴のように現われるのが満開の桜の花で、李歐はまるで妖艶でいて透き通った高貴な桜の精のような青年で、北京語、英語、日本語に堪能。容姿端麗で頭脳明晰、冷徹なプロの殺し屋で、あるときは共産ゲリラのリーダー、あるときは優秀な株トレーダー。さまざまに名前を変えて世界を駆け巡る…という設定には、白土三平の『カムイ伝』を思い浮かべてしまった。あらゆる面で超人的な能力を駆使するカムイは、名前が題名にもなっている主人公なのに中盤からは登場場面が減る一方で、別名『カムイ出ん』と皮肉られている(^^;
李歐もその存在の大部分が他人の噂話や回想の中に登場するので、果たして生い立ちや正体は本当なのか、まるで桜の美しい魔術にかかったかのように真相は花霞の中…という具合だ。


■そしてこれはまた後から知ったことだが、『李歐』はWOWOW開局10周年記念ドラマとして2001年に放送されていたのだった。




高村薫が自ら李歐役に望んだというダニエル・ウー。






■ダニエル・ウー? 
どこかで聞いたような…って、ジャッキー・チェンの新作『新宿インシデント』に出てたあのダニエル(呉彦祖)じゃあ~りませんか。あのかわいそうな役の。
うう、おいたわしい
左はもう少し前の新版『香港国際警察』(2004年)。
左が金持ちの息子で武装強盗グループのリーダー・ジョー役のダニエル・ウー。真ん中はジャッキー・チェン。右はシウホン役のニコラス・ツェー。この作品ではニコラスがとてもよかったので、ダニエルの印象はあまり残ってなかった。ごめん。


■ちなみにニコラス・ツェーとダニエル・ウーは「香港小四天王」と呼ばれる人気男優の中の2人で、共にジャッキーの映画によく出ている。ダニエルはアメリカ育ちのインテリで、ジャッキー作品に抜擢され、広東語と北京語をマスターしたという努力家でもある。
余談だが、「香港四天王」はアンディ・ラウ、ジャッキー・チュン、レオン・ライ それにアーロン・クォックの4人。「歌神」ジャッキー・チュンは、ジャッキー・チェンに似てるということで「スモール・ジャッキー」と呼ばれていた。ジャッキーもぼくの弟分なのでよろしくと売り込んでいて、ふたりがデュエットしている昔のテープを持っているが、当時からチュンの歌のうまさは際立っていた。
さらに余談だが(^^;、「台湾小四天王」は金城武、ジミー・リン、ニッキー・ウー、アレック・スーである。


■話が横にそれたが、確かにドラマの『李歐』役にダニエル・ウーは適役だと思う。理知的な美貌で長身、演技も巧みだ。だが難を言えばちょっと地味目で、桜の花の持つミステリアスな美しさ、透明感、はかなさの体現という点ではどうかな…と思う。まだニコラス・ツェーの方がミステリアスな危険美を漂わせている。
ま、私的には李歐は金城武に演じてもらいたかった。
北京語、英語、日本語を自在に操るという点、それに目の光の強さという特徴でもね。
『天使の涙』や『パラダイス!』『不夜城』の金城の独特の透明感や存在感は、何者にも変えがたい稀有な才能でもあるからだ。あるいは思い切って、李歐=金城武、吉田一彰=ダニエル・ウーというキャスティングはどうだろう?
ダニエルには日本語の台詞が重荷だろうが、某筋の人気ランキングでは、金城×ダニエルが最も人気の高い組み合わせだそうだから(^ー^* )
というわけで、またまた私の趣味で金城の動画を張っておく(^^;










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