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激動する社会の波におぼれずに、自分の頭で考え 行動しようじゃないの。 命令されるのなんか 大嫌い。「群れない、媚びない、とんでもない」の猫の精神でがんばっていきまっしょい。
 ホンジュラスのクーデターはどこへ向かうのか
2009年07月10日 (金) | 編集 |



6月28日、ホンジュラスの首都テグシガルパの通りを封鎖し、
軍に抗議する大統領支持者(ロイター通信)




■中米ホンジュラスで6月28日、軍によるクーデターが起きて、セラヤ大統領が
国外追放された。後任にはミチェレッティ暫定大統領が選任された。
セラヤ大統領は5日に帰国をめざしたが、飛行機の着陸を暫定政権側が妨害。
空港周辺に集まったセラヤ大統領の支持者に軍が発砲する騒ぎが起き、飛行機は
着陸を断念してエルサルバドルに向かった。
また9日にコスタリカのアリアス大統領が調停役になったが、成果なしで終わった。




  

左:朝日新聞の地図。
右:6月28日、コスタリカのサンホセで記者会見するセラヤ氏(AP=共同)




■クーデターの経緯はロイター通信が簡潔にまとめているので、以下に転記する。

     ロイター通信 6月29日
      http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-38756520090628      

      中米ホンジュラスでクーデター、軍が大統領を国外追放

[テグシガルパ 28日 ロイター] 中米ホンジュラスで28日未明、軍がセラヤ大統領を拘束し、国外に追放するクーデターが発生した。同国軍によるクーデターは冷戦終結後初めて。
 ホンジュラスでは、憲法改正により大統領再選に道を開こうとした大統領とこれを非難する反対派の間で緊張が高まっていた。
 大統領は追放後、コスタリカに到着した。
 セラヤ大統領は2006年に就任した。憲法の規定により来年初めに4年間の任期が切れることになっていたが、憲法改正に向けた制憲議会招集の是非を問う国民投票の11月実施を計画。同計画に対する民意を探る非公式な国民投票を28日に強行しようとし、軍や裁判所、議会などの怒りを買っていた。
 オバマ米大統領と欧州連合(EU)は事態を深く憂慮していると表明。セラヤ大統領の盟友でもあるベネズエラのチャベス大統領は、自国軍に警戒態勢をとらせていることを明らかにした。




■共同通信の解説によると、
【ホンジュラス(1998年11月10日)中米に位置する人口六百万人余りの共和制国家。
首都はテグシガルパ。十六世紀にスペインの植民地となり、その後メキシコによる支配を
経て一八三八年に独立。
面積は日本の三分の一弱で、産業はバナナ、砂糖などの農業が中心。
日本へは主にコーヒーなどを輸出。国際協力事業団(JICA)による青年海外協力隊員の
派遣人数は延べ六百九十三人で中南米地域では最多。】


■ホンジュラスの国民の7割は貧困層で、苦しい生活を余儀なくされている。
そうした中で06年に大統領に就任したセラヤ氏はベネズエラのチャベス大統領と同じく
反米左派政策を執っていく。支持者の多くは貧困層である。
したがって今回のクーデターの裏にはセラヤ氏支持の貧困層と、それに反対する中産階級
や富裕層の対立という構図がある。現在も続いているイランの暴動と同じである。

アメリカの裏庭と呼ばれる中南米は、反米政権が生まれそうになるたびに何度も繰り返し
アメリカの軍事介入を受け、政権転覆やクーデターを起こされ多数の犠牲者を出してきた。
ホンジュラスでも1903年から今日に至るまで、内戦や革命のたびにアメリカ軍が上陸して
親米政権を打ち立て、経済侵略によって極貧層を拡大してきた。


■ところが今回のクーデターに関しては、今までとは違う状況が生じているのだ。
本来のアメリカならクーデターを起こした暫定政権(親米政権)の方を支持するはずなのだが、

【オバマ大統領は、「中南米は民主主義の確立において過去20年で多大な進歩を遂げた」と
指摘し、ホンジュラスのクーデターはその進歩に逆行するものだと非難。「クーデターは違法で
あり、セラヤ大統領は今でもホンジュラスの大統領だ」と言明した。
クリントン国務長官は同日、合憲政府を復権させるため、米州機構(OAS)の代表団が30日
にもホンジュラスを訪問予定だと明らかにした。 (CNN)】

【米州機構(OAS)は、ワシントンで常設理事会の緊急会合を開き、ホンジュラスの軍事
クーデターを非難するとともに、追放されたセラヤ大統領の即時無条件復帰を求める決議を
採択した。またOASは、クーデターで誕生したいかなる政権も認めないとの立場を明確にした。
(ロイター通信)】


■その一方で「桜井ジャーナル」は、<ホンジュラスのクーデターに「暗殺者学校」の卒業生 >
が介在していたと伝えている。

(前略)
 実は、このクーデターに少なくとも2名のSOA(The School of the Americas)卒業生が中枢メンバーとして活動している。
SOAとは、1946年にパナマで創設されて以来、ラテン・アメリカに多くの軍事政権を生み出し、民主的なプロセスで誕生した政権を破壊し、この地域を不安定化してきたアメリカの学校。

 この学校で教えている内容は反乱鎮圧、狙撃訓練、ゲリラ戦、心理戦、情報活動、尋問テクニックなど。そうした訓練を生かし、卒業生は帰国してから反体制派、つまり巨大企業のカネ儲けに邪魔な人々を迫害、排除するために、拷問、レイプ、暗殺、誘拐、虐殺などを繰り返してきた。そこでSOAは「School of Assassins(暗殺者学校)」とも呼ばれている。

 あまりに悪名が高くなったこともあり、1984年にパナマから追い出され、2001年には名称がWHISEC(Western Hemisphere Institute for Security Cooperation)へ変更された。

 これまでにラテン・アメリカ各国から約6万人にのぼる軍人を受け入れ、訓練してきたのだが、その中には、ロメロ・バスケス将軍とルイス・ハビエル・プリンセ・スアソ将軍も含まれているのだ。バスケスは1976年と1984年、ソアソは1996年に在籍している。

 さすがにクーデターを正面切って支持する政府は存在しないようだが、バスケス将軍たちが単独で実行したとも思えない。バラク・オバマ米大統領の政策に反対しているアメリカの勢力、あるいはアメリカ以外の国が関係している可能性は極めて高い。

 ホンジュラスはアメリカの情報機関が秘密工作の拠点に使ってきた国で、ラテン・アメリカがアメリカから自立しつつある現在、この国を奪還する意味は大きい。ニカラグアの革命政府を倒すため、軍事政権の兵士を集めて創設したゲリラ「コントラ」を支援する工作でもホンジュラスは重要な役割を演じ、アメリカだけでなくイスラエルも同国ルートで武器をコントラに渡していた。

 しかし、このクーデターが将軍たちの思惑通りに進むかどうかは即断できない。少なくとも表面上はクーデターを支持する国は存在せず、大統領を支持する人々がクーデターに抗議する活動を始めている。「選挙の結果が気にくわない」というイランのデモとは質的に大きな違いがある。

 ホンジュラスとイランの政変には共通項がある。アメリカ的な経済システムで豊かな生活を送れるようになった、あるいはなれそうな人々が、貧困階級に目を向ける大統領を排除しようとしてるということだ。




■ホンジュラスのクーデターとイランの暴動は、ネオコン勢力がオバマに仕掛けた試練なのか。
この先両国がどの方向に動いていくのか、そして日本はこうした動きから何を学ぶべきなのか
今後も見守りながら考えていきたい。






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