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激動する社会の波におぼれずに、自分の頭で考え 行動しようじゃないの。 命令されるのなんか 大嫌い。「群れない、媚びない、とんでもない」の猫の精神でがんばっていきまっしょい。
 アニメ映画『動物農場』が半世紀ぶりに上映
2008年12月20日 (土) | 編集 |






■『動物農場(アニマル・ファーム)』といえば、誰もが知ってるジョージ・オーウェルの有名な寓話だ。
1943年に執筆を開始し、45年にイギリスとアメリカで刊行された。
『動物農場』の後に書かれたのが『1984年』である。

54年に『動物農場』がイギリスでアニメ化。
そして今回、実に半世紀ぶりに日本で初公開されることになった。



     朝日新聞 12月20日
     http://www.asahi.com/culture/update/1218/TKY200812180038.html

       切り捨てられる労働者 半世紀前の英アニメ、20日公開

 半世紀以上前にイギリスで制作された長編アニメーション映画「動物農場」が20日、日本で初公開される。重労働に耐え、人間に搾取されてきた農場の動物たちが反乱を起こすストーリーだ。試写会に参加した大学生らは、内定取り消し、雇用契約打ち切りなど今の苦しい日々と映画を重ねた。

 「動物農場」はイギリスの作家ジョージ・オーウェルが1945年に発表した同名小説が原作で、54年に映画化された。労働者の国であったはずの旧ソ連で権力が腐敗し、「粛清」の名のもと反抗分子が次々と処刑されたことを、動物に仮託して批判した作品と言われる。

 配給するのは三鷹の森ジブリ美術館(東京都)。スタジオジブリの宮崎駿監督が40年余り前、長編アニメ映画の手本としてこの作品を知ったのが縁だ。

 初公開に先立ち、早稲田大(東京都新宿区)で9日、就職活動を控えた早大や日本女子大の学生約20人を集め、試写会と座談会が開かれた。「働き者の馬に同情した。けがをして働けなくなったとたん、皮革工場に売られ、殺されるなんて可哀想すぎる」「働けなくなったら殺される動物は、会社に切り捨てられる契約社員と同じだ」「就職が心配になった」といった声が相次いだ。

 映画では、太った豚が人間に代わって反乱後の農場を支配し、ほかの動物を酷使する。怒りが頂点に達した動物たちは再び蜂起する。

 原作も読んだという女子学生は「今の社会で問題をどう解決するか、自分の頭で考えるしかない」。ジブリ美術館の中島清文館長は「働き者の動物を切り捨てるのが今の社会。若者たちは世間に出て、働くことの夢と現実とのギャップを知る」と話す。

 「動物農場」は20日から、東京・渋谷「シネマ・アンジェリカ」、立川「シネマシティ」などで公開される。(寺下真理加)




■『動物農場』は、オーウェルの作品の中でも好きな1つだ。
高校の英語の副読本で『象を射つ』と『貧しいものの最期』を習ったのがオーウェルとの初めての出会いで、このときは何て暗くて嫌な内容だろうと感じていたが、その後に改めて他の作品を読み、すっかりオーウェルのファンになってしまった。

ただし『動物農場』の続編ともいわれる『1984年』については、この作品としばしば対比されるハックスリーの『すばらしい新世界』の方が私は好きだが。






自室の本棚にあったオーウェル関連の本。
『動物農場』の古い本はどこかへ紛れ込んで見つからないので
数年前に改訂版を購入。前の表紙の方がよかった
『1984年』のパロディー版ともいうべき、バージェスの『1985年』も。





■『動物農場』はロシア革命の顛末を風刺した、いわゆるスターリン批判の寓話であるが、寓話であるがゆえに時代を問わず、その時々の権力闘争の風刺としても読めるところが魅力であり、時代を超えた人気の秘密でもある。

オーソドックスな読み方としては、登場人物(といっても主に豚や馬だが)のメージャー爺さん(豚)がレーニン、ナポレオン(豚)がスターリン、スノーボール(豚)がトロツキー、9匹の猛犬が秘密警察、羊たちが青年共産主義同盟という具合だ。

私は郵政民営化を叫ぶ小泉政権の頃に、この『動物農場』が脳裏に浮かんで仕方がなかった。
もちろん小泉元首相がナポレオンであり、ナポレオンに心酔して「四本脚はよい、二本脚わるい」と連呼する羊たちは小泉チルドレンであり、小泉人気に乗ってはしゃぐ若者たちの姿と重なった。

人によってはナポレオンをヒトラーに当てはめ、ナチスの物語として読むケースもあるという。

そして今回は、現代日本の派遣労働者と大企業の比喩として新たによみがえったわけだ。
朝日新聞の記事にも書かれているように、原作とは異なり、映画では人間に代わって権力を持った豚に対して、「怒りが頂点に達した動物たちは再び蜂起する」のだそうだ。

だからこそ現代の若者の共感を得たのだろうが、この結末はきれいごとすぎないだろうか?
ま、だからこそスタジオジブリの配給になったのだろうが。
そういう私は、宮崎駿とジブリ・アニメが大の苦手
できればオーウェルの原作を読んでほしい。
また1970年に「少年マガジン」に掲載された石ノ森章太郎のマンガ『アニマル・ファーム』も、権力闘争の陰惨さが表現されていて素晴らしかった。冒頭の、風車が嵐で粉々になるシーンが特に印象的だった。

『動物農場』はゴールディングの『蝿の王』と並ぶ、20世紀の優れた寓話だと私は思う。








アニメ映画『動物農場』予告編








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