

NHKニュースより
■どういう教育を受けたらこんな思考回路の人間が生まれるのか、といった興味深い1例である「前科持ち」の田母神(たもがみ)俊雄航空幕僚長が、またもやトンデモ論文を書いて更迭されることになった。
この田母神氏は以前にも、イラク派兵の違憲判決が出た際に、「純真な隊員には心を傷つけられた人もいるかもしれないが、私が心境を代弁すれば大多数は『そんなの関係ねえ』という状況だ」と述べた問題人物である。
では今回は、どんなトンデモ論文だったのだろうか?

http://www.nhk.or.jp/news/k10015106121000.html
浜田防衛相 空幕長更迭の方針
航空自衛隊トップの田母神俊雄・航空幕僚長が、先の大戦をめぐり、「わが国が侵略国家だったなどというのはぬれぎぬである」などという内容の論文を発表しました。これについて、浜田防衛大臣は、自衛隊幹部の論文として内容が不適切だとして、田母神・航空幕僚長を更迭する方針を固めました。
この論文は、防衛省・航空幕僚監部の田母神俊雄・航空幕僚長が、東京に本社がある都市開発会社のグループの「懸賞論文」として応募したものです。このなかで、田母神・航空幕僚長は、まず、昭和12年から始まった、「日中戦争」について、当時の中国の指導者の1人、蒋介石がテロ行為を繰り返してきたと指摘し、「わが国は蒋介石により日中戦争に引きずり込まれた被害者なのである」としています。続いて、当時の満州や朝鮮半島は日本の統治のもとで豊かになったとしたうえで、先の大戦について「多くのアジア諸国が肯定的に評価し」、「わが国が侵略国家だったなどというのは正にぬれぎぬである」としています。
政府は、先の大戦について、「わが国はかつて植民地支配と侵略によって多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた」とする談話を発表しており、田母神・航空幕僚長の論文は、この認識と大きく隔たりがあり、侵略を認めず、植民地支配を正当化する歴史認識を示す内容に、関係各国からの反発が予想されています。こうした中、浜田防衛大臣は、自衛隊幹部の論文として内容が不適切だとして、田母神・航空幕僚長を更迭する方針を固めました。
これに関連して、麻生総理大臣は、31日夜、総理大臣官邸で記者団に対し、「論文を読んでいないので知らないが、防衛省の許可を受けて論文を出したのであれば適切でないし、もし個人的に出したとしても、立場が立場だから適切でない」と述べ、不快感を示していました。そのうえで、記者団が、「辞任か」と質問したのに対し、麻生総理大臣は、「辞任かどうかは、わたしが決めることではない。防衛大臣の人事権だ」と述べていました。浜田防衛大臣は31日午後10時から記者会見を行い、更迭の理由などについて説明することにしています。
■で、上のニュースにある「東京に本社がある都市開発会社のグループ」とは、あのハデハデ帽子をかぶった女性社長の「アパグループ」のことで、同社のサイトににも【アパグループ第一回「真の近現代史観」懸賞論文 最優秀藤誠志賞を航空幕僚長・田母神俊雄氏が受賞!】と載っている。

http://www.apa.co.jp/index2.html

懸賞論文の審査委員長は渡部昇一氏ということで、審査基準も想像がつこうというものだ(^^;;
アパのサイトにはこんな文章があった。ゲゲゲ。
【アパグループへの懸賞論文をきっかけに誤った歴史認識をただし、正当な歴史認識をもって日本を真の独立国家へと導く人物が現れることを期待しております。】
■さて自衛隊関連にはまだこんな問題人物もいる。
元陸上自衛隊イラク先遣隊のヒゲの隊長こと、自民党参院議員の佐藤正久氏である。
この人も「駆けつけ警護」発言で大きな問題になった。
憲法無視や、それこそ誤った歴史認識を持ったこうした人物を堂々とのさばらせている自民党は、もはや百害あって一利なしだ。すみやかに政権交代を実現して腐りきった長年の害毒を一掃しなければ、日本は周辺国の反発を招くだけで少しの国益にもつながらない。
