激動する社会の波におぼれずに、自分の頭で考え 行動しようじゃないの。 命令されるのなんか 大嫌い。「群れない、媚びない」の猫の精神でがんばっていきまっしょい。
 コソボ独立が民族運動に火をつけたのか
2008年03月25日 (火) | 編集 |


グルジアの民族問題



■昨日、初の総選挙が行われたブータンでは、ブータン調和党(DPT)が人民民主党(PDP)に圧勝した。民主制(日本と同じ立憲君主制)への移行が成功したわけだが、これまでの安定した王制を支持する国民も少なくない。急激な民主化はかえって民族間の軋轢を生む危険もはらんでいる。
同じ民主主義でも、その国の国情にあった制度を、国民自らが選択して取り入れることが最も大切なのだ。



■さて、こんなニュースが配信されていた。

   ロイター通信 3月25日
    http://jp.reuters.com/article/domesticEquities/idJPnTK008759120080325
          

        ロシアのメドベージェフ第1副首相、NATO拡大に難色

[モスクワ 25日 ロイター] 次期ロシア大統領のメドベージェフ第1副首相は、旧ソ連のウクライナとグルジアの北大西洋条約機構(NATO)加盟を承認することは欧州の安全保障を脅かす恐れがあるとの見解を示した。25日付の英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙に掲載されたインタビュー記事の中で述べた。
 同副首相は「われわれは、グルジアとウクライナを取り巻く環境に満足していない。現在の欧州の安全保障構造にとって極めて厄介なことであると考える」と語った。




   日経新聞 3月25日
    http://www.nikkei.co.jp/kaigai/eu/20080324D2M2401Z24.html

         イラン、上海協力機構に加盟を申請

【モスクワ=共同】ロシア通信によると、イランのモッタキ外相は24日、中国とロシア、中央アジア諸国でつくる上海協力機構(SCO)の事務局に対し、正式加盟の申請文書を出したことを明らかにした。タジキスタンを訪問し、ラフモン大統領との会談後の記者会見で述べた。同国も正式加盟を支持したという。




■昨日もちらりと「上海協力機構」について書いて、イランも加盟と記したが、正確には準加盟であり、しかしながらこれで近々正式に加盟国となるわけだ。

冷戦時代には、NATO(北大西洋条約機構)に対抗してワルシャワ条約機構(ソ連、ブルガリア、ハンガリー、東ドイツ、ポーランド、ルーマニア、チェコスロバキア、アルバニア)が作られ、東西の情報機関が諜報活動にしのぎを削っていたが(^^;;、その後ソ連がポシャッて、長い間アメリカ(NATO)の一人勝ちになっていた。
時代は移り、現在では新たなグループによる反米組織である「上海協力機構」が結成されて、次第にその存在感を増しつつある。



   毎日新聞 3月22日
    http://mainichi.jp/select/world/news/20080322dde007030060000c.html             
 

    ロシア:南オセチアとアブハジア独立、下院が承認検討求める−−欧米けん制

【モスクワ大木俊治】ロシア下院は21日、ロシア大統領と政府に対し、グルジアからの分離独立を求めている南オセチアとアブハジアに対する独立承認を検討するよう求める声明を採択した。ロシアが反対しているコソボ独立を、欧米諸国が承認したことを受けた措置。プーチン大統領がすぐに応じる可能性は低いが、欧米のコソボ独立支援や、グルジアの北大西洋条約機構(NATO)加盟への動きをけん制する手段として利用するとみられる

 インタファクス通信によると、声明は、特にグルジアが南オセチア、アブハジアへの武力行使や、NATO加盟に踏み切った場合、両地域の「独立承認へのプロセスを加速させる可能性」を検討するよう求めた。

 声明は「グルジアの主権と領土の一体性を尊重する」としながらも、欧米によるコソボ独立承認が「国際法の基準と矛盾」しており、両地域の独立要求は「はるかに大きな根拠がある」と主張している。

 インタファクス通信によると、共産党は明確な独立支持を盛り込むよう求めたが、最終的に独立支持の「検討」を求めるという表現に落ち着いた。プーチン政権は、両地域への経済支援を進める一方、国境地帯の不安定化につながる独立承認にはなお慎重な姿勢を示しており、こうした背景を勘案したとみられる。

 南オセチアとアブハジアの議会は、コソボの独立宣言を受けて今月初め、国連などに独立承認を求める書簡を送った。

 ラブロフ外相は18日の米露外相・国防相会談後の会見で、米国などのコソボ承認が中国のチベット暴動にも影響を与えているとの見解を表明した。





■グルジア(上の地図の白い部分)といえば、あのスターリンの出身地
旧ソ連邦に加入したが、もともと民族ナショナリズムが強い地域だ。グルジアの南のアルメニア、アゼルバイジャンと合わせて「ザカフカス」と呼ばれ、これまで何度も紛争を起こしてきた。

グルジアもまた、アブハジア、南オセチア、アジャリア(トルコと接している地域)という自治州・自治共和国を抱え持っていた。

91年にグルジアはソ連から独立して、CIS(独立国家共同体)に加盟。
初代大統領ガムサフルディアは民族主義色が強く、このアブハジアと南オセチアのグルジアからの分離独立運動が激化したのだ。ガムサフルディアがクーデターで失脚後は、ゴルバチョフ政権下で外相を務めたシュワルナゼが大統領になる。

ところがアメリカの支援(というか工作)を受けて、03年11月に「グルジア・バラ革命」でシュワルナゼは追放され、アメリカの傀儡政権である30代のサーカシビリ大統領が政権の座に着いた。
これによってグルジアはNATOに急接近していくことになる。

ロシアにとってグルジアは地政学的にも原油パイプラインというエネルギー戦略からも重要な地域であり、したがってロシア政府はアブハジア、南オセチア、アジャリアを支援している。
アブハジアと南オセチアは実質的にはすでに独立を果たしているが、国際的な承認は受けていない。
ところがつい最近コソボの独立をアメリカはいち早く承認し、特別扱いしたのである。
こうした国際ルールを破っておきながら、アブハジア、南オセチアの独立は承認しないというのは理屈に合わないだろう。

欧米の二重規範が、現在このような形で新たに噴出してきているように思えるのだが。