2008年03月24日 (月) | 編集 |

総選挙候補者のポスターが張られた掲示板の前を通る女性と子供。(AFP=時事)
■昨日は台湾、今日はブータンの選挙。日本と似たような気候風土を持つブータン王国はヒマラヤ山脈に位置し、06年に退位したジグメ・シンゲ・ワンチュク(Jigme Singye Wangchuck)前国王が自ら王政(絶対君主制)から議会制民主主義(立憲君主制)への移行を唱えて、現在体制移行中である。
ブータンは近年まで鎖国的・民族主義的な政策をとってきて、家の外では民族衣装の着用を義務付けている。1000年続いた平和な王政から民主制への移行を不安視する国民も少なくないが、若者の間では選挙を歓迎する声が強い。
■去年07年12月31日に、初の議会選挙である国民評議会(上院)選の投票が行われた。
今回は国民議会(下院)選の投票である。
■ブータンの国教はチベット仏教で、人口の約80%がチベット系、残りの約20%がネパール系住民だ。ネパール系住民の多くはヒンドゥー教徒で、反政府運動を起こすなど、チベット系住民との摩擦も生まれているのが現状だ。
■1959年に起きたチベット動乱で中国の自治区から逃げてきたチベット族の一部が、以来ブータンの国民や難民としてこの地で暮らしているが、大部分の国民はチベットとの交流がなく、したがって今回のチベット暴動にはさほど関心を寄せていないという。
ヒマラヤ山脈の険しい地形は同じチベット民族を分断し、チベットはもはや中国の一部と見なされてしまっているのである。
■地図を見る。
ブータンと国境を接している中国の、ネパールとブータン寄りにチベット族、その北部にウイグル族が住んでいる(キルギスやカザフスタンと接する地域)。
ところでチベットやウイグルに対する包囲網として、中国はロシアや周辺諸国と「上海協力機構」を作っている。加盟国は中国、ロシア、カザフスタン(地図の薄いオレンジのところ)、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン(緑のところ)、モンゴル、インド、パキスタン、イラン。
この見事な包囲網が、現在の冷徹な政治状況を物語っているのである。

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