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激動する社会の波におぼれずに、自分の頭で考え 行動しようじゃないの。 命令されるのなんか 大嫌い。「群れない、媚びない、とんでもない」の猫の精神でがんばっていきまっしょい。
 コソボ独立宣言の前途多難
2008年02月28日 (木) | 編集 |

 


写真左:2月21日、セルビアの首都ベオグラードでコソボ独立に抗議する群集が米国大使館を襲撃。襲撃され火のついた同大使館(ロイター)
写真右:天然ガスパイプラインの建設契約に調印するロシアのメドベージェフ第1副首相(右)と
セルビアのタディッチ大統領(CNN)



■ロイター 2月22日
 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-30449120080221

 [ベオグラード 21日 ロイター] セルビアの首都ベオグラードで21日、コソボ独立に抗議する群集が米国大使館を襲撃、警察が鎮圧に乗り出した。地元メディアによると、30人以上が負傷、うち半分は警察で、病院に搬送された。
 警察は各国大使館が立ち並ぶ地区への交通封鎖を図り、地元通信社は英国、クロアチア、ボスニア、トルコなど複数の大使館が襲撃されたと伝えた。
 米国はセルビアに対して大使館の保護を要請。セルビアのタディッチ大統領は襲撃を止めるよう呼びかけた。





■さてコソボ独立に反対しているロシアでは、3月2日に行われるロシア大統領選挙でメドベージェフ第1副首相の当選が確実の模様だが、その副首相が25日にセルビアを訪問した。


  朝日新聞 2月26日
  コソボ独立反対で結束 ロシア第1副首相がセルビア訪問  
  http://www.asahi.com/international/update/0226/TKY200802260477.html

(前略)AFP通信などによると、メドベージェフ氏はコソボの独立宣言について「人類が100年以上前に作り上げた国際安全保障や国際法のシステムを破壊するものだ」と改めて批判。コシュトニツァ首相も「独立が無効にならない限り、(バルカン)地域や世界に安定はない。独立を承認した国との関係正常化もあり得ない」と強調した。





■セルビアを訪問したメドベージェフ第1副首相は、関係強化の一環としてセルビアに天然ガスを供給するパイプラインの建設契約に調印した。
またこのパイプライン計画には、ハンガリーも参加を表明した。


  日経新聞 2月26日
  ロシア主導のパイプライン、ハンガリーも参加・EU案に巻き返し
  http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080226AT2M2601126022008.html

 【ウィーン=桜庭薫】ハンガリーは25日、ロシア産天然ガスを西欧に輸出する計画への参加を表明した。ロシアはブルガリア、セルビアに続き、パイプラインが通過する国から相次いで参加の同意を取り付けた。欧州連合(EU)が主導するロシアを経由しないパイプライン計画に対し、着工で先行し、優位に立ちたい考えだ。

 ジュルチャーニ首相は25日夜、3月のロシア大統領選で当選が確実視されるメドベージェフ第一副首相と会談後、「28日にモスクワを訪れ、パイプライン建設の合意文書に署名する」と述べた。両国による折半出資の合弁会社を設立、2012―13年の稼働を目指す。

 「サウスストリーム」と呼ばれる新パイプラインはロシア産ガスを黒海経由でバルカン諸国やイタリアなどに運ぶ。国営ガス会社、ガスプロムの会長を兼任するメドベージェフ氏はセルビアからも計画への参加の同意を取り付けた。南北ルートのうち北ルートでは6カ国中、4カ国から公式同意を得た。








■ロシアのノーボスチ通信など、コソボは特別なのか?と反発を強めているが、コソボのアルバニア人が独立の根拠としている「民族自決権」は、果たして国際的に認められている概念なのだろうか?

町田幸彦『コソボ紛争 冷戦後の国際秩序の危機』(岩波ブックレット)の中にこういう文章がある。
【普通、単に自決(self determination)と言っている民族自決権とは、各民族が自分たちの意思で政治体制や帰属を決められる権利です。現実にはある国に属する一民族が自分たちの国を別個にもとうとする独立を志向するときに、民族自決権は引き合いに出されます。しかしながら、この用語は国際法上、明確に定義された言葉ではありません。またウィルソンの14ヵ条平和原則(1918年)が民族自決権を提唱したとする見解が定着していますが、原文を読むとそういった箇所はありません。むしろ拡大解釈された見方が既成事実になってしまったようです。
1991年から旧ユーゴ紛争が始まり様々な国際会議が行われ決議文が公表されましたが、国連決議も含め「民族自決権」に言及した公式文書はありません。政治家や外交官もこの用語に触れるのは慎重に避けています。この言葉は国際政治のタブーでもあるのです。】





■今回のコソボの独立宣言は国連安保理決議なしに行われた。したがってコソボはまだセルビアの一部のままだ。したがって上記の本の内容からも、ロシアがアメリカなどのコソボ独立承認を国際法違反として非難するのは筋が通っている。コソボのアルバニア人の権利を認めれば、アルバニア系の住民がいる周辺各国でも民族対立が起きてくるだろう。

かつてのNATOによるユーゴ空爆もまた国連決議を受けない単独行為だった。
【ユーゴ紛争とは米国の一極支配構造を確認した舞台でもあったのです。】(町田『コソボ紛争』)

そしていまやアメリカの一極支配は終焉しようとしているのだ。
独立宣言をしたコソボはいったん「信託統治」を受け、本当の独立は10年後くらいになるのではといった見方も強い。すぐに承認声明を出した日本は、またまた支援金だけごっそり取られるはめになるのだろうか。






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