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 イージス艦事故:背広組と制服組の攻防 その2
2008年02月27日 (水) | 編集 |

「あたご」艦長ようやく謝罪




■イージス艦衝突事故から8日、これまで表に出なかった「あたご」の船渡健艦長が、本日午後、謝罪のために千葉県勝浦市にある吉清さんの自宅を訪れた。
写真右がイージス艦「あたご」の船渡健艦長、左は吉川栄治海上幕僚長(共同通信)。

■昨日26日の衆院安全保障委員会で、石破防衛相は舩渡艦長の処分について、「当然考えざるを得ない。いつまでも艦長の任にとどまることは、これだけの事故が起こっているのでふさわしいことだとは思わない」と、舩渡艦長を更迭する考えを明らかにした。






■『週刊朝日』3月7日号の記事「イージス艦事故 エリート艦長の傲慢と怠慢」の中に、以下のような「艦長」についての記述がある。


 15年にわたり自衛隊を取材し、護衛艦への乗船取材の経験もあるジャーナリストの杉山隆男氏は、イージス艦の艦長を、
「殿上人」
 と表現する。普通の護衛艦の艦長は2佐だが、イージス艦は1佐。約300人の乗員を率い、有事には戦闘指揮官になる。
「船内では、寝室や食堂など生活空間は士官と下士官では別々。艦長は専用の個室で、下士官は高さ60センチの3段ベッド。赤絨毯の上で暮らしている艦長の顔をめったに見ない下士官も多いんじゃないでしょうか」
 杉山氏によれば、食堂の机には白いテーブルクロスが敷かれ、食器も専用の陶器が使われる。コーヒーを注いだり食事を運んだりする給仕がつき、艦長が箸を取らなければ食事は始まらない。
 出港時には、寒風だろうが雪だろうが、下士官たちは甲板に整列する。艦長はもちろん艦橋の室内だ。伝統の儀式とはいえ、
「あんな暖かいところにいやがって、いつまで立たせておくんだ」
 といった声が甲板に漏れるという。





■さて勝浦市の被害者家族の元へ謝罪に訪れた舩渡艦長だが、なんとその後に行われる漁協事務所での艦長コメントと報道陣の質疑応答が、またしても海上保安庁の了承なしに海上幕僚監部の独断でセットされたもようだという。

   産経新聞 2月27日
   また海保の了承なし? 防衛省が艦長取材をセット
   http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080227/crm0802271352026-n1.htm








 存在感を増す制服組



■911事件をきっかけに自衛隊は変貌を遂げていく。
半田滋『闘えない軍隊 肥大化する自衛隊の苦悶』(講談社+α新書)にこうした記述がある。


 東京都新宿区にある防衛庁(註・当時)。この中にある陸上幕僚監部と海上幕僚監部の若手佐官たちは、深夜、ひそかに永田町へ向かった。「国会議員に説明し、理解を得る」と言えば聞こえはいいが、陸自、海自がそれぞれ組織の思惑通りに政治家を動かそうとしたわけである。制服組によるロビー活動であった。
 米同時多発テロの発生から間もない2001年9月21日深夜。真っ白な夏の制服を背広に着替えた海上自衛隊の佐官2人が安倍晋三官房副長官(当時)の自宅を訪ねた。
「政治家は腹をくくってほしい」
 そう言って自衛隊の艦艇が「危険な場所」に派遣されることを前提に、武器使用の制限を緩めるよう求めた。そして「隊員がけがをしたり亡くなったりした時に、政治家が『すぐ帰って来なさい』というのであれば初めから出さないでもらいたい」と話した。



こうした制服組のロビー活動によって、テロ特措法の策定前に、計5隻の海自艦隊がインド洋に出向できたのだった。

 海上自衛隊が国会対策を専有する背広組の防衛庁内部部局を跳び越え、防衛政策をハンドリングした瞬間でもあった。



海自に対抗して、陸上幕僚監部の佐官たちもひそかに国会議員の自宅を回ってロビー活動にいそしんでいた。これによって、国会でのアフガニスタンの地雷撤去という案も陸自の反対で消えていった。

 国会議員への説明や根回しは本来、背広組の防衛庁内局の仕事。ひそかに行われた制服組によるロビー活動を内局幹部らはどう見ているのか。
 幹部の1人は「防衛庁として合意が得られていない案件を制服組の判断で国会議員に説明することはクーデターに通じる。断じて見逃せない」。事実が分かれば、制服組を管理する立場から何らかの処分を下すというのだ。
 別の幹部はこういう。「自衛隊幹部の大半を占める防衛大学校の出身者は、既に20期以降が大半。10期までの防大卒業生が持っていた太平洋戦争の反省は彼らにはありません。海外留学組も増え、軍事的合理性だけで物事を判断するのが特徴の世代が自衛隊の主流になってきた」
 説明を受けた国会議員はどうみているのか。若手防衛族の1人で、元自衛官で防衛庁長官を経験した中谷元衆院議員は「制服組の率直な意見を聞いて、政治家が判断する。これこそがシビリアンコントロール(文民統制)だと思う。今後も積極的に説明に来てほしい」と歓迎の意向を示す。





■制服組と内局(背広組)の相互不信と確執、国会議員たちの現状に対する無知、防衛省の報道統制や隠蔽体質、メディアの弱腰…と、イージス艦事故1つを取ってみてもさまざまな問題が浮かび上がってくる。
私たちも日本の防衛が抱える諸問題について、少しずつでも学び、そして考え続けていかなければならない。




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