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激動する社会の波におぼれずに、自分の頭で考え 行動しようじゃないの。 命令されるのなんか 大嫌い。「群れない、媚びない、とんでもない」の猫の精神でがんばっていきまっしょい。
 今なお跋扈する「小泉待望論」
2007年09月17日 (月) | 編集 |

■ポスト安倍をめぐる総裁選で福田支持を表明した小泉に愛想をつかしたと飯島秘書官が辞表を提出したが、やはりこの辞表はまだ小泉預かりのままになっているらしい。

小泉チルドレンはといえば、参院選敗北の一要因ともなった広報戦略の失敗にも何ら責任を取らずに大きな顔でテレビに出まくっていた片山さつきなど、早速福田の背後に喜々とした笑顔で納まっていて、第2の小池百合子と化している。

■さて辞表を出したとはいえ、かくも長い間蜜月関係だった小泉-飯島ラインがこんな程度のことで崩れるとはにわかには信じがたい。この老獪な策士は虎視眈々と次のチャンスを狙っているのだろう。
小沢との一騎打ちとなる晴れのチャンスを。



■小泉改革を継承した安倍政権に対し国民は「ノー」を突きつけ、安倍もようやく官邸から去った。
しかしながらボスである小泉は今回の福田支持で自らキングメーカーの位置を固め、チルドレンを操ってなおも大きな影響力を及ぼしている。
そしてこの小泉の再登板を望む声は決して小さくないのだ。
それもメディアでの露出や影響力の強いいわゆる知識人層の中に、小泉のリーダーシップを賛美し小泉時代を懐かしむ論調が少なくないことを私は危惧する。


■小泉が首相として表舞台に立ったとき、私の脳裏にはすぐにかつてのヒトラーとナチスの情景が浮かんだ。
これまでナチス・ファシズムを熱狂的に支えていたのは労働者階級のルサンチマンだったとの説が一般的だったが、彼らよりもむしろ学者や官僚などの知的エリートが積極的にヒトラーを賛美して、血の正当性とか民族至上主義といった思想や道徳体系を構築し、国民の間に浸透させていった事実が明らかになってきた。

左上の本は、膨大な資料の中からそうした事実を解き明かした労作である。


  クローディア・クーンズ著『ナチと民族原理主義』 青灯社

紀伊国屋書店の書籍紹介内容より

『ナチと民族原理主義』(原書名:THE NAZI CONSCIENCE)

<内容>
プロローグ 民族の血統を信仰する―その意識の形成
1 民族原理主義へ―血統の正義と良心
2 フォルクに寄せる無限の信頼―道義の政治
3 学問ふうの反ユダヤ主義―学界の味方
4 ひそかに進む日常生活の変容―政治文化の征服
5 フォルクという血の大河―民族の再生と人種主義者の懸念
6 新しい教科書の登場―少年の心に刻むカギ十字
7 官僚たちの迫害手続き―法と人種秩序
8 大量虐殺を用意する学者たち―体裁のととのった人種主義を求めて
9 「隣人愛」という大罪―人種の戦士たち
10 排除を受入れた国民―銃後の人種戦争


ナチ政権下、ホロコーストは如何にして「国民的事業」に成りえたのか。従来のナチ恐怖説、歯車説、状況説などと違うアプローチで捉えた、ナチ研究の新しい地平。
「『ナチの良心』というのは矛盾した言い回しではない」という一文ではじまる本書は、当時のドイツ人が実際に信じ、ホロコーストを実施するための基盤となった道徳体系が如何にしてナチ社会によって構築されたかをみごとに解き明かしている。それはヒトラーやナチ党のみではない。ドイツ国民自体が、当時の学者や官僚、教育者などの知的エリートの煽動に乗っかり、「民族原理主義」に完全に浸っていった結果として、その実行者となっていったプロセスでもある。
ドイツ全体を覆ったこうした「異質な隣人」=悪という「民族的純血」の信仰の前に、ユダヤ人は排撃と抹殺の運命にさらされていくのである。本書は今日形を変えて吹き荒れる「民族原理主義」を中心テーマとした、ナチ研究の最前線であり、到達点である。


<著者について>
デューク大学歴史学教授。コロンビア大学で修士課程修了後、ラトガーズ大学で博士号取得。専門分野は人種主義、ジェノサイド、ジェンダー。狂信者の主張より一般市民の間にみられる偏見、差別を研究テーマとしている。1987年度全米図書賞ファイナリスト他、数々の賞を受賞している。



■なかなか時間が取れずに当書を読み進められないが、この知的エリートの扇動問題は小泉-安倍つまりは今の自民党長期政権の問題と多く共通しているわけで、どうしたらこれを突き崩せるのかの有力な示唆になり得ると考える。またいずれ各内容を詳しく取り上げるつもりだ。





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