

■大敗したにもかかわらず、相変わらずのご都合主義の屁理屈で、安倍首相続投が決まった政府与党。
こうした動向を見守る海外メディアの目も冷ややかだ。
以下、東京新聞 7月31日の記事より
「日本変わるには自民崩壊が条件」
参院選、独紙が論評
【ベルリン=三浦耕喜】29日の参院選で惨敗した自民党について30日付の独紙「南ドイツ新聞」は日本が変わるには自民党が崩壊することが条件と論評した。
惨敗の背景について同紙は「安倍晋三首相は学校での愛国心教育を強化し、憲法を改正し、北朝鮮に強い姿勢を示そうとしたが、これらのテーマは日本の有権者にはあまり響かなかった」と分析。
首相の続投については「首相の去就は大きな問題ではない。他の民主主義国と同様、時に応じた政権交代が行われて初めて日本は本当に変わることができる」とした上で「これは自民党が崩壊することで可能となる。今回の平手打ちでは十分ではない」としている。
独大衆紙「ビルト」は「敗者」として1面に首相の顔写真を載せ「首相としての責務を果たすとしているが、退陣の気配が漂う」としている。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007073190073754.html
■南ドイツ新聞(Süddeutsche Zeitung)はドイツで最も発行部数の多いクオリティー・ペーパー。

ところが首相は「辞任はしない。最後まで改革を進めるのが私の使命だ」などと、民意に逆行した言葉を繰り返すのみである。
■そもそも最初から安倍首相の言葉はひどくあいまいで、ひとり空回りするものばかりだった。
「美しい国」…美しいとはどういう状態か? それは誰にとって美しいものなのか?
「戦後レジームからの脱却」…戦後レジームの定義と評価は? 脱却して何を目指すのか?
万事が万事こういう調子だ。
■われわれ国民の大多数は、アメリカの言いなりに平和憲法を否定して戦争を志向する「戦後レジームからの脱却」など望んでいない。
グローバリズムの美名のもとに弱肉強食の社会を是非とする「美しい国」など真っ平ごめんなのだ。
この感覚のズレに国民は危惧し、今回大きな「ノー!」を突きつけた。
われわれの未来はもはや託せないと。



絆創膏の存在感にすら負けて、すべてを失ってしまった(T.T)


■ついに迎えた決戦の日。
仕事の切れ目に、大急ぎで投票をすます。
しかし午後からの雨と投票率の低さに胃の辺りがムカムカして、夕食を作りながらビールを飲んでしまった。
と、期待通りの結果を選挙特報番組が流しだし、ホッと一安心。
千葉も埼玉も民主が2議席獲得!
湯河原のある、ここ神奈川も今のところ民主が1位で当選。
姫の虎退治も成功した。
右上の写真は、当選を確実にし、カチャーシーを踊って喜ぶ糸数慶子氏=29日午後9時8分、那覇市で(朝日新聞)
■いやぁ、この日をどれだけ待っていたか。
長かったな~(^^)
こうした与野党伯仲の状態こそ本来あるべき姿なのだ。
お互い常に緊張感がなければ、必ず腐敗や独裁が進んでしまう。
ようやく通常の姿に戻ったというべきだろう。
そして民主は、今日からが本当の実力を試される正念場だ。
決して奢らず、しっかり気を引き締めていってほしい。
■久しぶりに気分が晴れ晴れしたので(^^;;
泉谷しげるの「春夏秋冬」の歌詞の終わりの部分を…。
昔の記憶を頼りに書いてみる。
♪きょうですべてが終わるさ
きょうですべてが変わる
きょうですべてが報われる
きょうですべてが あ~ 始まるさ




げっそりお戻り~
■日本米の輸出アピールのため中国へ行っていた「絆創膏大臣」こと赤城農水相。
またまた「領収書コピーの二重計上」という新たな問題が発覚した。
そのプレッシャーか、昨日26日北京で昼食をとった後「下痢と立ちくらみがする」と急遽帰国を遅らせた。
おいおい、この時期この場所でそのコメントはど~よ、って突っ込みたくなってしまう。
食の安全のため中国・北京に行った農水大臣が下痢ってスゴクまずいんじゃない?
中国側も変なものを食べさせのかと疑惑の目を向けられメンツ丸つぶれだし。
■ところが絆創膏大臣はなおも奇怪な行動に出る。
なんと勝手にホテルをチェックアウトとして行方不明に。
幸い今朝空港に現れて午後には成田に着いたが、やっぱり二重計上の疑惑には一切答えず、車に乗り込み走り去った(上の写真)。
このまま都内の病院で診察を受けるそうな。
それにしても閣僚がよその国で勝手に行方をくらますなんて前代未聞の椿事だろう。
一躍世界の笑いものに昇格だわ。

デマを蒸し返す
■26日、青森県弘前市内で応援演説で小池百合子防衛相は、またしてもその危険な体質を丸出しにした。
というのは95年の阪神大震災当時の救助活動について「アメリカ(の艦船)が支援のため神戸港に入ろうとしたところ、神戸の港湾組合が厳しいため、なかなか着岸できなかった」と述べたからだ。
しかしこれはまったくの誤報であり、当時の防衛庁幹部あたりから流れたデマだとする説もある。
以下、毎日新聞26日の記事より。
(略)
全国港湾労働組合協議会の玉田雅也事務局次長は「入港に反対した事実はない」として、防衛省に発言内容をただす考えを示した。
阪神大震災では複数の報道機関が「救援物資を積んだ自衛隊護衛鑑の荷揚げ作業を港湾労働組合が拒否した」と報道し、直後に訂正した経緯がある。
小池氏は災害時の自衛隊の活動の成果に触れ、当時の村山富市首相の対応批判に続いて語った。小池事務所は「非核証明を出さない限り米艦艇が入港できないという、いわゆる『神戸方式』を念頭に置いた発言でした」と説明している。
防衛省報道室は「防衛省は当事者ではなく、コメントする立場にない」としている。【太田圭介】


■今朝、つれあいが教えてくれたコーナー。
きのう「きっこの日記」でも紹介されてたようでちょっと遅情報になってしまったが、けっこう面白いのでぜひトライを!
毎日新聞 「毎日ボートマッチ」より
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/senkyo/07saninsen/votematch/
毎日ボートマッチ実施中!
インターネットを通じ、参院選への関心を高めてもらうための新企画「毎日ボートマッチ(えらぼーと)」が始まりました。有権者が自らの考えと各政党候補者の主張を比較することで、選挙の争点となっている政策への理解を深めることができるとともに、投票の参考材料にもなる全く新しいサービスです。毎日新聞社が参院選の立候補予定者を対象に行ったアンケートとまったく同じ設問に答えていただくと、候補者の回答を基に算出した各政党の平均値が比較され、主要政党とあなたの考えがどれだけ近いかを「一致度」という数値で示します。また、候補者個人の全回答を見ることもできます。
設問は21問。上のボタンを今すぐ押して、是非ご利用ください。
■ちなみに私との相性がよかった政党は…
共産党(げげげ)、新党日本(ほえ?)、社民党(やっぱり)、民主党(ふうむ)の順だった。
一番相性の悪かったのは当然ながら自民党だったけど(^^;;


■手塚治虫の伝奇マンガ『どろろ』が映画化され、そのDVD売り上げがアニメ『ゲド戦記』を抜いて1位になったと今朝のニュースで言っていた。
原作であるマンガの内容が障害者差別に当たるとのいわれなき偏見のため、アニメ化された『どろろ』は長い間再放映を禁じられ、幻の作品として語り継がれてきた。
そうした暗く長い日々を思うと、映画になって今再び大きな脚光を浴びているという事実に時の流れの不思議さを感じる。
手塚が亡くなって追悼本が出たとき、ただひとり手塚とその業績を全否定した文章を寄せたのが宮崎駿だった。
批判するのはよい。宮崎にとって手塚は、打倒し乗り越えなければならない大きな父親のような存在であったから。
しかし対象が死んで何も反論できなくなってから情け容赦なく切り捨てるのは、やはり大人のすることではないだろう。
確かに手塚も数多くのマンガ家に対し稚気とも思える程のむき出しのライバル心を燃やしていたが、その場合も愚かしいくらい当のライバルに面と向かって「僕にもあなたと同じ絵が描けますよ」などと言いつのったものだ。
手塚という父を葬った宮崎は、今度は息子から父親殺しを陰のテーマに持つ『ゲド戦記』を突きつけられた。
その『ゲド』は手塚の『どろろ』に脅かされている。
そして『どろろ』にも父・醍醐景光と息子・百鬼丸が対決する場面があるのだ。
ジュリーこと沢田研二は、主題歌「時の過ぎゆくままに」で有名なTVドラマ『悪魔のようなあいつ』で愛され常に保護される側の青年を演じた後、近作の映画『幸福のスイッチ』で電気屋の頑固親父を好演した。
いずれも時の過ぎゆくまま、その時の帰結のさまにはひどく感慨深いものがある。
■手塚治虫は自著の中でこう記している。
漫画は虚像である。
漫画は奇矯である。
漫画は傲慢である。
漫画は感傷である。
漫画は情念である。
漫画は愛憎である。
漫画は抵抗である。
漫画は破壊である。
漫画はキッチュである。
漫画は自慰である。
漫画はセンス・オブ・ワンダーである。
『ぼくはマンガ家』より
ゆえに私はこう告げたい。
ジュリーは虚像である。
ジュリーは奇矯である。
ジュリーは傲慢である。
ジュリーは感傷である。
ジュリーは情念である。
ジュリーは愛憎である。
ジュリーは抵抗である。
ジュリーは破壊である。
ジュリーはキッチュである。
ジュリーは自慰である。
ジュリーはセンス・オブ・ワンダーである。
……と。

以下、日経新聞の記事より
<その1> 参院選、投票所の3割が終了時間繰り上げ 7月20日
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20070720AT3S2001A20072007.html
29日投開票の参院選で、全国約5万1700の投票所のうち29%に当たる約1万4800カ所で、原則午後8時までの投票時間を繰り上げて終了する予定であることが総務省の調査で判明した。終了時間を繰り上げる投票所数は2004年の前回参院選よりも約3400増加。「平成の大合併」で開票所が集約され、自治体が投票箱を運ぶ時間などを考慮したためとみられる。
開票所は市町村に1カ所が基本。全国の開票所数は約2000で、前回と比べ39%(約1300)減少した。投票時間は1998年の参院選から「午前7時から午後8時まで」が原則だが、特別の事情があれば終了時間を最大4時間繰り上げることができる。
<その2> 民主、投票時間繰り上げに反対 7月25日
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20070725AT3S2402C24072007.html
民主党は24日、参院選で全国の投票所の約3割が午後8時の投票締め切り時刻を繰り上げることについて「公職選挙法の規定をはるかに逸脱しており、到底容認できない」として、各自治体の選挙管理委員会に見直しを通知するよう菅義偉総務相に申し入れた。
総務省は「市町村選挙管理委員会は公選法の趣旨を踏まえ適切に判断し、決定されているものと考えている」と回答した。
■投票率が下がれば組織票のある自公に有利と見てこんな戦法を繰り出したんだろうが、選挙10日前にこそこそと発表し、きちんと伝えるメディアもまだ少ないのが事実だ。
全国一律の「投票時間は午前7時から午後8時まで」という原則を崩せば、民主主義の公平性など吹き飛んでしまう。
何でもかんでも自分たちに都合のよいことを勝手に決めてしまうこんなファッショ政権を断じて許してはいけない。
また各メディアはそろって自民大敗を報じているが、この報道の反動や揺り返しを十分警戒しながら、少しでも投票率が高まるよう気を引き締めていこう!


■新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原発の被害と微量放射能漏れは、政府と東電のデータ隠しと対応のまずさで国民の不安は治まらず、風評被害で近隣の観光業界も大きな打撃を受けている。
■原発事故は恐ろしい。
だが数々の風評や過剰な噂、そして根拠のないデマも同様に怖い。
こうした風評やデマに踊らされないためにも、私たちはもっと原発についての知識を持つ必要がある。少しでも知識があれば、いざという時に冷静な対処法を取れる確率もまた高まるからだ。
■右の本は瀬尾健(せお・たけし)著
『原発事故……その時、
あなたは!』 風媒社
瀬尾氏の専門は原子核物理学、ベータ・ガンマ核分光学、放射線計測学、原子炉事故の災害評価など。94年に癌のため死去。
『原発事故…』は翌95年に出版されたが、内容の基本的な部分は今も十分有効である。
本書は帯にもあるように、個々の原発における予測事故のシミュレーションが正確な図やデータと共に明示されている。
個々の原発例は、泊1号炉、敦賀2号炉、美浜3号炉、大飯2号炉、高浜4号炉、伊方3号炉、玄海3号炉、川内1号炉、女川1号炉、福島第一6号炉、福島第二4号炉、東海2号炉、浜岡3号炉、柏崎1号炉、滋賀1号炉、島根2号炉、そしてもんじゅである。
この他にも
<CASE STUDY>重大事故は、なぜ起きた!?
スリーマイル島事故、チェルノブイリ事故、事故からの教訓
<防災編>放射能から身を守るには
<知識編Ⅰ>原発の基礎知識
<知識編Ⅱ>重大事故の予備知識
と、丁寧で実用的な内容構成になっている。
この中の<CASE STUDY> 事故からの教訓
は、今回の柏崎刈羽原発にもあてはまる箇所が多い。
①事故は思いがけないことから起こり、予想外の経過をたどる。
事故が起こってからの責任者たちの第一声は、いずれの事故でも驚くほどよく似ている。つまり「こんなことが起こるとは信じられない」というのである。思わず出る言葉には真実がある。この場合、一つは責任回避、もう一つは発言者の気持ちとは裏腹に、「今後とも何が起こるかわからない」ということをはからずも白状している。(略)
以下タイトルだけ書き抜くと、
②フェイルセーフ、フールプルーフはあり得ない。
③事故の際の現場担当者は、信じられないほど楽観的である。
④事故の通報は遅れる。
⑤関係者はあらゆる手を尽くして事故を秘密にする。
⑥事故の影響は過小評価される。
⑦経済性のためには、少々の安全は犠牲にされる。
⑧被害者は、因果関係がはっきりしないのをいいことに、切り捨てられる。
■原子力資料情報室(CNIC)のHPより
http://cnic.jp/modules/news/article.php?storyid=553
柏崎・刈羽原発は廃炉にせよ 7月20日
7月16日の新潟県中越沖地震は、原子力発電所と原子力施設の「安全性」を根底からくつがえした。
この地震を起こした活断層は、柏崎・刈羽原子力発電所の直下にまで及んでいることが判明した。事前の東京電力による活断層調査は不十分であった。そのことが解らぬままに原子炉の設置を許可した国の責任はきわめて重い。
柏崎・刈羽原発の原子炉や燃料棒、配管・機器類がどうなっているか、情報が公開されていない。余震も考慮すれば、いまだ緊急事態が続いていると考えねばならない。
世界最大の規模を誇る電力会社が、基本的な安全性保持の体制も緊急時に対応できる適切な力もまったく持っていなかったことが判明した。
国は、かつての安全審査の誤りを国民に謝罪し、設置許可を取り消せ。そして、柏崎・刈羽原発は廃炉にせよ。
