
左の写真は朝日新聞:レギュラーガソリンの価格を182円に取り換える
ガソリンスタンドの店員=1日午前9時9分、東京都大田区、小宮路勝撮影
右の図も朝日新聞:7月以降に値上げされる主な商品やサービス(クリックで拡大)
■7月に入ったとたん、ガソリンはついに180円を超え、電気・ガスをはじめ、さまざまな食料品や日用品、航空運賃などの価格がドッと上がった。
米原油先物相場が1バレル140ドルを超え、ドバイ原油価格も急上昇しているので、今年はこれからもさらに物価が上がり続けると予想されている。(゜ロ゜)ギョェ〜!
■自給率が極端に低い日本。その自給率を少しでも上げるためにもっと魚を食べようと言われたばかりなのに、漁船の燃料高騰でイカ釣り船がピンチに陥り、さらに他の魚の漁獲も難しくなってきてしまった。
共同通信 6月30日http://www.47news.jp/CN/200806/CN2008063001000468.html
全漁連、燃料代補てん要望 一斉休漁に養殖団体も参加
全国漁業協同組合連合会(全漁連)は30日、2008年度の通常総会を都内で開き、原油高騰から、漁業者向け燃料代の補てん措置を国に要望する特別決議を採択した。補正予算案に盛り込むよう求める。また窮状を訴えるため全漁連などが7月15日に予定する一斉休漁に、海水養殖の業界団体も加わる見通しを明らかにした。
特別決議では「原油価格暴騰で、全国の漁業、漁村は息の根を止められようとしている。水産食料の安定供給の責務を果たすことができなくなる」とした上で(1)燃料代の補てん措置(2)政府系金融機関による融資条件の緩和、税制優遇(3)原油価格上昇のひとつの原因とされる投機マネーに対する規制−を求めた。
政府、与党は原油価格高騰の緊急対策を既に決定しているが、燃料代の補てん措置は盛り込まれていない。農林水産省の白須敏朗事務次官は30日の記者会見で「省として講じる対策を詳細に検討する」と述べるにとどめた。
一斉休漁に新たに加わる団体は全国海水養魚協会(神戸市)。
■原油高騰の原因は、新興国の需要増大やバイオエタノール需要、投機マネーだけじゃない。
政府や日銀の経済・金融政策の無能と失敗も大きな原因の一つなのだ。

■そんな折、画期的なニュースが飛び込んできた。
なんと日本の大学で、立て続けに「常温核融合」の実験に成功したというのだ。
大阪大学の荒田吉明名誉教授が公開実験に成功現在この記事は読めないので、探せた範囲で転載する。
日経産業新聞 5月23日常温核融合?熱発生、発熱量、測定難しく証拠不足―
阪大名誉教授公開実験
大阪大学の荒田吉明名誉教授は二十二日、外部からエネルギーを投入しなくても熱を取り出す公開実験に成功した。核融合でできたとみられるヘリウムが大量に検出された。
同名誉教授は「従来とは違うタイプの核融合反応が起きている」としているが、熱の発生量の測定は難しく、常温核融合の証拠とするには多くの追試が必要だ。
核融合を起こすには、水素の原子核である陽子を非常に近い距離に近づける必要がある。プラスの電気を帯び反発し合う陽子に「核力」と呼ぶ強い力が働き、一気に核融合が進む。現在は数百億気圧で圧縮するか、一万ボルトの電圧で水素を加速してぶつけるしかないと考えられている。
公開実験ではパラジウム原子が格子状に集まった超微小粒子を真空容器の中に入れ、中性子を原子核に含む重水素のガスを吹き込んだ。大気中の約十万倍のヘリウムを検出。石炭一グラムに相当する三十キロジュールの熱が発生したという。
荒田名誉教授は「パラジウム原子のすき間に普通は一個未満しか取り込まれない重水素が四個入って凝縮し、電子と原子核が引き合うことで核力が働くまで近づき、外部から熱などのエネルギーを加えなくても核融合反応が始まった」と話している。
常温核融合は一九八九年に英米の研究者が報告。社会現象になるほど研究熱が高まったが、様々な追試で同じ結果が得られていない。
国内外の様々な研究者から違う方式の提案も出ているものの、取り出した発熱量の結果にバラツキが大きいことから、常温核融合を示す明確な証拠とはなっていない。
日刊工業新聞 5月23日阪大、固体核融合で公開実験−ヘリウムの生成など確認
大阪大学の荒田吉明名誉教授は22日、固体核融合に関する公開実験を行った。金属ナノ粒子に対して純度100%の重水素ガスを導入、ヘリウムの生成と熱エネルギー放出を確認した。
一般に三重水素の熱核融合には約3億度Cの超高温が必要とされている。今回、ヘリウム生成が計測されたことで、固体内で常温核融合反応が起きている可能性があるとしている。
実験では、酸化ジルコニウム・パラジウム合金のナノ粒子を使用した。重水素ガスが合金内に取り込まれると同時にヘリウムに変換されるという。 重水素が金属の格子内に取り込まれると同時に変換されると見られるが、電子雲やイオンの挙動など原理的に分かっていないことも多い。
ヘリウムは合金の格子内に取り込まれると、数百度Cの熱を加えないと外へ放出できない。重水素が取り込まれることで飽和状態になるため、サンプル再生が課題となる。
さらにほかの有効な合金サンプルの検討も必要になる。荒田名誉教授は引き続き固体核融合反応を実証するため「研究所をつくりたい」と話している。
北大大学院工学研究科の水野忠彦氏が新たな実験に成功
北海道新聞 6月12日簡易炉で「常温核融合」か 北大院・水野氏が確認 国際学会で発表へ
北大大学院工学研究科の水野忠彦氏(エネルギー環境システム)は十一日、水素と炭素を簡易な反応容器(炉)で加熱する実験で、通常の化学反応では起こりえない異常な発熱(過剰熱)の確認と、核融合反応を示すガンマ線を検出したことを明らかにした。水野氏は「常温核融合」が確認できたとして、八月に米ワシントンで開かれる国際常温核融合学会で報告する。
実験はステンレス合金製の炉(内容積八十八cc)の内部に、炭素を含む多環芳香族炭化水素の一種フェナントレンを〇・一グラム投入した上で、高圧水素ガスで満たし密閉して行った。
ガス中の水素原子などを規則正しく配列させて反応を促進する働きを持つ白金とイオウを触媒に用いた。
水素を七十気圧まで加圧し、加熱器の設定温度を六六○度とした場合、設定温度に達して加熱を止めた後も炉内の温度は約一時間上昇を続け、最大で六九○度に達した。この過程で過剰熱の出力は六十ワット、発熱量は二百四十キロジュールで、化学反応で得られるエネルギーの少なくとも百倍以上だった。
水野氏は同様の実験を三十回実施し、すべてで過剰熱を確認。また実験後の炉内で《1》地球上の炭素の約1%を占めるにすぎない炭素同位体「炭素13」が大量に発生《2》実験当初は存在していなかった窒素が発生−し、いずれも化学反応で説明できない現象から、水野氏は「炉内で水素と炭素の常温核融合反応が起きているとしか考えられない」と話す。
岩手大工学部の山田弘教授(電気エネルギー工学)は「通常の化学反応では起こりえない過剰熱が発生している可能性が極めて高い。注目に値する研究だ」。
ある大手メーカーの有力研究員も「過去に報告されている常温核融合とは全く異なる実験結果で、興味深い」と話している。

■ソ連が崩壊するずっと昔、ソ連関連の雑誌を買ったおまけに小冊子を数冊もらった。
そのうちの1冊のタイトルが「トカマク」で、監修がソ連科学アカデミーとなっていた。
ところが読んでもいっこうに内容がわからない。
ソ連の科学者たちが総力をあげて新エネルギーの開発に努めていて、それは未来の素晴らしい発展をもたらすだろう云々が長々と書かれているだけで、トカマクがその新エネルギーらしいのだが、どういったエネルギーなのかは全然説明がないのだ。ひどくあきれた記憶がある(^^;;
■その後、トカマクが核融合のことであると知った。つまり人工太陽のことである。
核分裂を利用している現在の原子力発電と違って、核物質の代わりに水素を利用するので、安全で低価格の発電ができる。おまけに原料の重水素とリチウムは海水から取り出せるので無尽蔵だ。
核融合施設はトカマク方式とヘリカル方式があって、現在は運転に向けて試作中。40〜50年には実際に発電が始まるらしい。ただし核融合のためには1億度以上の高熱が必要(現時点では3〜5億度を出すのに成功している)だし、施設も高額だ。
■常温核融合というのは、そんなビックリするような高温を必要としないで、室温の中で核融合ができてしまうという夢のような発電なのだ。
そのためずっと「トンデモ発明」扱いされてきて、私も実はΣ(='□'=)ウッソー!?と思ってきたのだが、今回の報道によればどうやら本当らしい。だいぶ懐疑的な書き方ではあるが。
本当に常温核融合ができたら、もう原油高騰なんか怖くない!
それこそ世界の在り方がガラリと様変わりしてしまうだろう。
日本は独自のエネルギーを手中にして、完全な独立を成し遂げられる。
そして大国に牛耳られている弱小国家も、大国と対等な立場になれるのだ。
そして食糧危機と並んで深刻度を増しているのが、水の問題だ。

■左と下の図は、国土交通省HPの
「世界の水問題と日本」より。
左:世界の水需要量の将来見通し
下:主な輸入品の生産に必要な水量

■この水問題について、『生活と自治』6月号に特集記事で載っていたので、その一部を抜粋して転載する。

「いま、そこにある水危機」
発展途上国を中心に水問題が深刻化している。現在、世界人口の約2割にあたる12億人が安全な水を利用できない状況に置かれているというが、最近の国連の報告は、「2025年までに世界人口の半分にあたる35億人以上が水不足に直面する恐れがある」と警告を発している。(中略)
複数の国家を流れる「国際河川」で、水紛争が起きている。アメリカとメキシコの間では、コロラド川の水の過剰利用などを巡って、インダス川では、インドとパキスタンの間で水の所有権を巡ってなど、枚挙にいとまがない。
国際河川以外でも、水が地域紛争の火種になっていると指摘するのは、『ウォーター・マネー』の著書がある国際未来科学研究所の浜田和幸代表だ。
「いま、チベット問題が大きく取沙汰されていますが、中国がこの地域にこだわるのは、チベット高原の永久凍土が長江や黄河の水源になっているからです。つまり、本質は民族問題にあるのではなく、水源地を押さえられたくないという事情があるのです」
人間を含めて生物は水なしには生きていけない。生命にとって不可欠な水は「水の惑星」にふんだんにあるようにみえるが、直接使える水は限られている。というのは、地球上の水の約97.5%は海水で、「私たちが飲んだり、産業活動や農業生産に使える水は2%足らず」(前出・浜田さん)に過ぎないからだ。これを、65億人が分け合っている計算になるが、地域による偏在が著しいのが水の特徴といえる。
たとえば、安全な飲み水の確保という点でみると、ヨーロッパや北アメリカ、日本はほぼ100%達成されているが、アジアは80%台、アフリカに至っては60%台にしか過ぎないという。(後略)

■水資源の危機は深刻だ。
しかし原油も食糧も水も、実のところは不足しているわけではないとの見方もある。
一部の国や人に偏在し、その他の大勢の人々に行き渡らない点が問題なのだ。
現在の世界の枠組みを変えない限り、持てる者と持たざる者との格差は拡大するばかりだ。

■バングラデシュというと、サイクロンでの洪水被害や最貧国とのイメージが強いが、
今夜放送のあった『NHKスペシャル 沸騰都市 第3回 ダッカ “奇跡”を呼ぶ融資 』を観て
バングラデシュの印象が一新された思いがした。
以下はNHKの番組紹介である。
世界最貧国のひとつに数えられてきたバングラデシュが、目覚しい経済成長を遂げている。年5パーセントを超える経済成長を持続し、BRICsに続く有力新興国「NEXT11」にも選ばれた。政府は十分に機能せず、輸出できるような天然資源もなく、外資にもほとんど頼れないこの国が、なぜここまで急速な発展を遂げたのか。
その原動力となっているのは、貧困層の劇的な所得の向上である。この10年で全人口に占める貧困層の割合は10パーセント以上減少した。貧困層が知恵を振りしぼり、ひとりひとりが言わば起業家となって、自力で豊かさを手にしようとする動きが始まっている。
その助けとなっているのが、無担保で少額を融資するマイクロクレジットである。グラミン銀行がノーベル平和賞を受賞、一躍脚光を浴びたが、それに先んじて始めたのが世界最大級のNGO・BRACである。
BRACは首都ダッカを拠点に、スラムに住む貧困層、繊維工場を操業する中間層に向けて積極的な無担保融資を展開してきた。その基本姿勢は、「貧困層に必要なものは援助ではない。投資である」。従来のNGOのあり方を大きく覆すものだった。
BRACが模索する新たな貧困解消の試みと自らの力で貧困から抜け出そうとする人々の物語を描く。
■写真の左は、急激に拡大する縫製工場。
BRACの融資を受けた貧しい夫婦がミシンを買い揃えて小さな縫製工場を起こす。
中国の3分の1の人件費ということで、欧米などからの受注が引きもきらず、小さな工場はたちまち拡大。働いているのも農村の貧しい女性や元売春婦、ホームレスの人々で、働く場を与えられた彼らの顔は希望に輝いている。
右は、やはりBRACの融資を受けて、スラムで食料品店を営む女性。
病気の夫の医療費がかさんで生活に困窮していたが、融資のおかげで品物を買い揃えられ、以前よりも売り上げが3倍になった。
こうした小額の融資を受けるのはほとんど女性で、1週間ごとにBRACに返済していくのだが、その返済率はなんと99.7%だという。
■番組で特に印象に残ったのは、バングラデシュでは国は助けてくれない、自分の才覚で未来を切り開いていかなければならないと誰もが口々に言っていたことだ。
無力な国に代わって、さまざまなNGOが人々の暮らしを支えている。
農村の女性たちも伝統工芸や服やバッグなどを作って収入を得られるようになった。
いわゆるフェアトレード(ものづくりの人々に適切な賃金を支払い生活向上を支援するしくみ)で、私も以前フェアトレードの民芸品や絵はがきを買ったことがあるし、今も時おりフェアトレードのバナナを購入している。
バングラデシュの、貧しいけれど自力で生活を支えている女性たちが、明るく笑いながら「今に日本の先を歩いてみせますよ」と自信にあふれて語る姿に、久しぶりにうれしい思いがこみ上げてきた。
それはまた暗く沈みがちな今の日本が再び立ち上がっていくための、一筋の希望の光でもあるからだ。今度は私たち日本人がバングラデシュの人々から学ぶ番かもしれない。

3日、食糧サミットで演説する福田首相(ロイター通信)
■あちこちでいろんなサミットが開催されて忙しいことだ。
3日からローマの国連食糧農業機関(FAO)で開催されていた「食糧サミット」は、本日5日に宣言を採択して終了する。
福田首相はサミットの中で、輸出国の農産物輸出規制の自粛を求め、フランスと共に、食糧と競合しないバイオ燃料の研究と実用化を訴えた。また政府が保管している輸入米のうち30万トン以上を途上国支援のために放出する考えを示した。
■4日の最終合意では、結局日本が求めていた「輸出規制の自粛」は、「規制」という表現がきつすぎるということで、「制限的措置を最小限に」とのソフトな表現になった。
また穀物価格の高騰の原因とされるバイオ燃料に関しても、ブラジルや米国の思惑で「玉虫色」の決着になった。
【食糧サミット宣言案の要旨 毎日新聞による】
▽短期的対策
・飢餓や栄養失調に対処するため食糧援助の強化や社会的セーフティーネットの拡大
・食糧を政治的かつ経済的な圧力の道具として使うべきでない
・世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の年内決着を求める
・国際価格の不安定さを増しうる制限的措置を最小限にすることを確認する
▽中長期対策
・バイオ燃料をめぐる課題は、食糧安全保障や環境、エネルギーの観点で対処することが不可欠
・国際機関や政府などが協力し、世界の食糧安全保障を監視し、分析する
■日本はフランスと一緒に食糧と競合しないバイオ燃料をと言ってるけど、そもそも穀物自給率をみると、05年の統計ではフランスが190.6%、対する日本は30.7%である。
日本はバイオ燃料以前に、食糧確保自体がピンチなのだ。緊急の度合いが違う。
■バイオ燃料(バイオエタノール)の生産量が最も多いのがブラジルで、世界の40%を占めている。
サトウキビを原料に作っており、国内で使った後の余剰分を輸出している。ブラジルでのこのバイオ燃料の利用は農業振興を目的に、すでに1930年代から始まった。その後、エネルギーの国内自給へと発展したものだ。
ブラジルと並んで多いのがアメリカで、やはり世界の40%を生産している。
主な原料はトウモロコシで、やはり農業振興が目的で1970年代から始まった。
これが昨今の原油高騰とCO2削減という目的のために拡大し、食糧との競合や環境破壊、穀物ファンドの暗躍といった大きな弊害をもたらしているのだ。
■先日のブログにも書いたが、日本は率先して、食糧と競合しない第二世代のバイオ燃料の開発と実用化を実現していく必要がある。廃材や朽木、落ち葉からのセルロースを利用したり、藻などの微生物を使った新しいバイオ燃料や水素燃料の開発だ。
ヨーロッパも最近、このセルロースに目をつけているので、一刻も早い独自技術の開発を進めてほしいと切に思う。
【補足 主な食糧輸出規制策 毎日新聞より】
インド…バスマティ米を除く米と小麦を禁輸
中国…輸出促進のための還付金廃止、穀物輸出に課税
アルゼンチン…小麦の輸出総量規制、穀物の輸出税引き上げ
ロシア…小麦の輸出税引き上げ
マレーシア…ヤシ油の輸出に課税
ウクライナ、セルビア…小麦を禁輸
エジプト、カンボジア、ベトナム、インドネシア…米を禁輸
カザフスタン…植物油などを禁輸
■日本の倉庫には、1993年のウルグアイ・ラウンドで海外からの輸入が定められた「ミニマムアクセス(最低輸入量)米」が150万トンも備蓄されている。アメリカやタイ、ベトナムから輸入された米である。
日本国内で減反政策を取りながら、一方では海外から輸入して倉庫に大量に積み上げているのだ。
このミニマムアクセス米は主食には回さずに、米菓や味噌、焼酎の原料、家畜の飼料などに使われている。その上、倉庫の保管料は年間150億円もかかっているのだ。
■この日本の備蓄米が、いま海外から熱い注目を浴びている。
世界的な食糧高騰の中、米不足で社会不安になっているフィリピンやアフリカなどに輸出してほしいというのだ。
しかし海外への供出には、アメリカなどミニマムアクセス米の輸出国の許可が必要になる。
ただアメリカ政府筋は、この備蓄米の援助供出に同意する動きを見せているので、そうなればフィリピンの米不足も解消の方向に進むだろう。
同時に日本国内の米政策も早急に見直して(米だけでなくすべての農作物も)、少しでも自給率を上げていくようにしなければ、近い将来、日本も同じ食糧不足に苦しむことになってしまう。

写真は、カザフスタン・アルマトイの市場で食料を運ぶ男性(ロイター/Shamil Zhumatov)
■穀物の高騰は全世界に波及し、ベトナムとインドでも米の輸出を禁止。そのあおりでフィリピンの米価が高騰して、安い政府米の配給に多くの人々が殺到し、不安な情勢になっている。
■ロシアのメドベージェフ大統領は、先日カザフスタン経由で中国を訪問したが、そのカザフスタンでも小麦粉の輸出をストップする可能性が出てきた。
ロイター通信 5月27日http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-31977220080527
カザフスタン、小麦粉輸出を停止する可能性=マシモフ首相
[アスタナ 27日 ロイター] カザフスタンは27日、世界的な小麦価格上昇で国内市場が圧力を受けた場合は、小麦粉の輸出を停止する可能性があると明らかにした。
同国は、中央アジア最大の小麦生産国。
同国は先月、国内の在庫が減少したことを理由に9月まで小麦の輸出を中止したが、小麦粉の輸出は継続している。
マシモフ首相は政府の会合で「もし脅威が感じられれば、いつでも(禁輸に)踏み切ることができる。ただ現時点では、そうした措置の必要はない」と述べた。
首相によると、政府は2週間毎に小麦粉の輸出および在庫状況に関するデータを監視していく方針。カザフスタンの2007年インフレ率は、世界的な食品価格上昇で18.8%に達し、政府は、今年のインフレ率を1けた台に抑制する方針を明らかにしている。
■ノーボスチ通信によると、ロシアでも今年に入ってパン類が15%、果物と野菜は27%も値上がりしている。プーチン首相は、穀物を国民1人当たり1トンの増収、つまり現在の8200万トンから1億4000万トンに生産高を高める必要があると表明した。
その裏には完全な自給自足制への移行か、あるいは世界市場への進出の意図があるのではないかという農業アナリストの言葉を載せている。

7日に起きたハイチでの暴動の様子(ロイター通信)
■4月に入って小麦をはじめ様々な食料品が値上げになり、スーパーからはバターが姿を消す騒ぎになっている。しかしこの食品の値上げは日本だけではなく、世界に蔓延し、しかもすでに危機的状況にまでなっているのだ。
WFP(国連世界食糧計画)のサイトには、以下のような緊急メッセージが掲載されている。
http://www.wfp.or.jp/
穀物高騰 WFPの支援活動にも大きな支障
(前略)食糧支援の必要性が増す中、WFPの支援活動には深刻な影響が出ています。
去年、WFPは、2008年度(1月-12月)には78カ国で7300万人に食糧支援を実施するとの支援計画を立て、その費用は29億米ドルと試算しました。しかし、食糧の購入価格が去年の6月以降だけでも55%増と著しく増大し、同じ規模の支援を行なうには、当初の見込みより少なくとも5億米ドル多い34億米ドル以上が必要となってしまいました。
このまま穀物高騰が続いた場合には、今まで支援を必要としなかった人々すら食糧を買えなくなり、食糧支援を必要とするようになる可能性があります。(中略)
穀物高騰はすでに、世界中の国で人々の暮らしに大きな打撃を与えています。
中米ではこの1年で、小麦とトウモロコシの値段がおよそ2倍に上昇。これに伴い、エルサルバドルの農村地域における平均的なカロリー摂取量は、2006年5月時点と比べて4割減少したことが、WFPの調査で判明しました。
アフガニスタンでは小麦の値段が1年前と比べて6割値上がりしたため、買えなくなってしまった人が続出しました。そのため、政府と国連は共同アピールを出し、アフガニスタンで255万人におよそ9万トンの食糧支援を実施するため7700万ドルが必要だと国際社会に訴えました。現在、必要資金の3分の2が集まっており、3月初旬にはアフガニスタン各地で緊急食糧支援が始まりました。
今後、ジンバブエ・エリトリア・ハイチ・ジブチ・ガンビア・タジキスタン・トーゴ・チャド・ベナン・ミャンマー・カメルーン・セネガル・イエメン・キューバなどでも穀物高騰による深刻な影響が出ると見られています。
■FAO(国連食糧農業機関)も同様の指摘をしている。
ロイター通信 4月9日
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-31236720080409
世界的な食料不足は続く、暴動のリスクも=国連食糧農業機関
【ニューデリー 9日 ロイター】 国連食糧農業機関(FAO)のディウフ事務局長は9日、食料供給の不足は当面続く見込みで、価格も高止まりするとの認識を示した。
事務局長は当地で記者団に対し「食料価格が急速に上昇し、世界中で非常に深刻な問題となっており、エジプト、カメルーン、ハイチ、ブルキナファソでは暴動が発生した」と発言。こうした暴動が他国にも広がる可能性があると指摘した。
また、世界の穀物在庫は1980年代以来の低水準にあるとし、「これはインド、中国などの需要増による。こうした国では、8─10%の国内総生産(GDP)伸び率を背景に、増加した所得が食料に回っている」との見方を示した。
事務局長は、各国政府に対し、かんがいや食料保存施設、農村インフラへの投資や、生産性の向上を図るよう助言していると述べた。
■これに先立ち、アジア各国ではすでに食糧価格の高騰と不足に対し、市民の抗議デモが相次いでいる。米や大豆の価格は2倍、小麦は3倍にも跳ね上がっていて、これが大きな社会不安を招いているのだ。
左の写真は3月23日にエジプトのギザでパンを買うために行列を作る人々(AP通信)。
食品価格の上昇で貧困層向けの安い政府補助金パンの需要が増え、大行列をしないと買えなくなり、騒ぎで死者まで出た。政府はパンの販売スタンドを増設し、外貨準備金で小麦を買い増す命令を出した。
■ハイチでのデモはさらに激化し、暴動はアフリカへと拡大している。
時事通信 4月10日http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008041000102
食料高騰でデモ激化=5人死亡、大統領が平静訴え−ハイチ
【サンパウロ9日時事】中米ハイチからの報道によると、首都ポルトープランスで食料や燃料の価格高騰に抗議する市民らのデモが激化し、AFP通信によれば、9日までに5人が死亡、40人が負傷。この事態にプレバル大統領は「暴力で問題は解決しない」と、市民に平静を呼び掛けた。
デモ隊が放火や略奪など暴力行為を行っているとの報道もあり、米大使館はデモが沈静化するまでの業務中断を発表。駐留する国連平和維持活動(PKO)のハイチ安定化派遣団(MINUSTAH)は大統領官邸周辺の警備を強化するなど、情勢が緊迫化している。
東京新聞 4月12日http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2008041202003074.html
食料暴動アフリカで続発 価格高騰原因に 安全保障へ影響憂慮
【カイロ=内田康】世界的な食料価格の高騰で中東・アフリカ諸国などで貧困層の暴動が相次いでいる。エジプトなど一部の国では死者も出た。国連は、食料をめぐる暴動の安全保障に与える影響を憂慮。日本を含む主要八カ国(G8)などが緊急対応を求められている。
ロイター通信によると、チュニジア中部のリディエフでは今月八日から三日間にわたって、民衆が警官隊と衝突。二十人以上が逮捕された。二月の食料価格のインフレ率は8・6%に上り、庶民の生活を圧迫している。
エジプトでは今月六−七日、北部の繊維産業の中心地マハラで暴動が発生。警官の威嚇射撃の流れ弾に当たった男子中学生ら二人が死亡した。地元メディアによると逮捕者は百人以上に上った。(略)
世界の食料価格は、この数カ月で平均約四割上昇したといわれ、中東の衛星テレビ局アルジャジーラによると、世界銀行のロバート・ゼーリック総裁は十日、「この二カ月の価格高騰は歴史的な水準にある」と警告した。(略)
■インドネシアのジャカルタでも1月に大豆食品が高騰し、1万人が抗議デモに参加した。
パキスタンも小麦価格の高騰の結果、ムシャラフ政権が選挙で敗北した。
また4月11日の時事通信によると、北朝鮮のピョンヤンでも米と小麦粉の価格が2倍になり、深刻な食糧不足に陥っているという。
こうした食糧価格の上昇の背景には
インドや中国などの新興国が経済発展によって豊かになり、肉や乳製品を多く食べるようになった。
石油価格の高騰によって食糧の輸送コストも上昇。
サブプライム危機によって、これまで不動産を買っていたマネーが穀物市場に流れ込むようになって、穀物の値段が上がった。
バイオ燃料開発で、原料のトウモロコシや大豆、サトウキビなどが食糧や家畜の飼料へ回らなくなった。
気候不順や砂漠化などで穀物が不作になっている。などといった原因が考えられる。
■こうした世界的な食糧不安が高まる中、イギリスのブラウン首相が福田首相に解決への協力を求めた。
時事通信 4月10日
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_date3&k=2008041000345
福田首相に協力要請=食糧危機問題の解決で−英首相親書
【ワシントン9日時事】ブラウン英首相が、北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)を主宰する日本の福田康夫首相に親書を送り、世界的な食糧危機解決への協力を求めていたことが、9日までに明らかになった。
世界銀行などは、食糧価格の高騰によって開発途上国で飢餓が発生する恐れがあると警告。この問題は今週末の一連の国際金融会議で取り上げられる見通しで、同サミットでも重要議題の一つに浮上してきそうだ。
館内に設置しているヌードル類の自販機も、業者が来て20円値上げしていった。
アイス類もほとんど利益なしでがんばって100円で売っているが、いつまでもつのやら。
ハーゲンダッツも6月から値上げと新聞に載っていた。上がる前に多めに頼んでおかないと。
客室用のお茶も、タオルや歯ブラシもぜ〜んぶ値上げ

値上げできる方はいいけど、うちなんか料金に転嫁できないから、利益が減る一方だ。
■で、バターを切らしてしまったのでスーパーに買いに行ったら、な、なんと、いつもはたくさん並んでいるコーナーに、たった3個だけぽつんと置いてあった。
それも雪印とか明治とかの大手メーカーのはゼロ。3個とも「よつ葉バター」だった。
ま、よつ葉の方が高級品質だからいいけど、もういつの時代なんだよ、この品薄状態は!って突っ込みたくなるくらいあきれ返ってしまった。野菜も超高値で、ほ〜んとびっくり(゜ロ゜)
■こんな記事も見つけてしまった。
輸入食糧にたよるニッポン。価格の上昇はマスコミでもかなり話題になっていますが、あまり話題になっていないのが、穀物輸出国の「輸出規制」。たとえば小麦。ロシアや中国では輸出課税を強化し、インドでは輸出そのものを禁止するなど、世界の輸出国上位12カ国のうち、7カ国が規制している状態です。
長年の農業無策のツケがついにやってきたわけだが、4月になるとさらにいろんな値上げが襲ってくる。なんと「1970年代の狂乱物価以来」の値上げラッシュだそうだ。
その一方で、またまた道路特定財源が原資の道路整備特別会計が国交省職員の「介護保険料」に使用されていたことが明るみに出た。
国民が食べるものさえ事欠いている現実を無視して、役人のこのあまりにあまりのタカリや汚職の構図はどうだ!!
チベットを見習ってわれわれ日本人も立ち上がり、腐敗したこの国を根本からひっくり返さなければ、この先ますますよりひどい地獄を目の当たりにすることになるだろう。
■捕鯨反対の声をますます高めているオーストラリア。ところがそのオーストラリアの首都キャンベラ近郊で野生のカンガルーが大量に繁殖して、絶滅に瀕している動植物を食い荒らす恐れがあるので、約400頭の薬物安楽死を計画している。逆に日本ではカンガルーは動物園や絵本の中での人気者だ。
なぜカンガルーの駆除はOKでクジラは1頭たりとも捕獲はダメなのか、あまりにも矛盾した対応ではないか。
■読売新聞 3月13日
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080313-OYT1T00721.htm
カンガルー400頭駆除、豪政府「過剰繁殖で」と弁解
【シドニー=新居益】オーストラリアのギャレット環境相(54)は12日、首都キャンベラで野生のカンガルー約400頭を駆除する計画を承認した。
カンガルーが過剰繁殖し、環境に悪影響を与える恐れが出てきたためで、薬物注射で安楽死させる。
これに対し、豪州の動物愛護団体などは「カンガルーを他の地域に移送するべきだ」と反発し、「人間の盾」などで実力阻止する構え。ロイター通信によると、元ビートルズのポール・マッカートニー氏も、英国の動物愛護団体のホームページに「カンガルーを守るため行動を起こす時だ」と、豪政府を批判するメッセージを寄せた。
環境相は政界入りする前、ロック歌手として活躍、国内の環境保護団体会長を務めたほか、1993〜94年には「グリーンピース」の役員も務めた。同団体は今年1月、日本の調査捕鯨船に妨害行為を働いている。環境相は捕鯨問題も担当し、「捕鯨は野蛮だ」と日本批判の急先鋒(せんぽう)となっている。クジラとカンガルーの取り扱いの違いについて問われた環境相は、「バランスが取られ、科学的に実行される計画は良い政策だ」と苦しい弁解を強いられている。

写真左はカンガルー肉料理、右はギャレット環境相
■バランスが取れて科学的な計画ならOKと言うギャレット環境相。
この見解を調査捕鯨に関しても、自ら適用させるべきではないのか!
かつての悪しき白豪主義が見え見えだ。
また日本も捕鯨問題について、水産庁などに任せきりではなく、環境大臣がもっと積極的に発言していかなければいつまでたっても解決の道筋が見えず、日本の国益を損なうばかりだ。
■ギャレット環境相について
毎日新聞 07年12月28日
http://mainichi.jp/life/ecology/select/news/20071228ddm007030098000c.html
日本の難敵、過激な反捕鯨派−−元ロック歌手
【ジャカルタ井田純】オーストラリアで今月発足したラッド労働党政権で、元ロックシンガーのピーター・ギャレット氏(54)が環境相に起用され、話題を集めている。過激な発言で知られ、反捕鯨の立場から日本の調査捕鯨への批判を強めている。
ギャレット氏は、80年代に日本でもヒットを飛ばしたロックバンド「ミッドナイト・オイル」のボーカリスト。バンドは先住民の権利保護や反核などメッセージ色の強い楽曲で知られた。02年にバンドを脱退後、環境保護などの運動に身を投じ、04年総選挙で労働党から出馬して下院議員に初当選。昨年からは「影の環境相」を務め、先月の総選挙で同党の11年ぶりの政権奪取に貢献した。
調査捕鯨について、ギャレット環境相は「残酷かつ野蛮な行為」と非難。日本がザトウクジラ捕獲延期を決めた後も、すべての捕鯨中止を求めている。「対日関係には影響しない」と述べているが、捕鯨を巡りトラブルが起きた場合などに同氏の対応が日豪関係に影を落とす懸念もある。
一方、ギャレット氏の強硬な政治姿勢に、豪州内では「危うさ」を指摘する声も。ラッド首相は環境相とは別に、温暖化問題を所管する気候変動担当相を新設した。野党からは、ギャレット氏が取り組んできた温暖化問題に関して議会答弁の機会が与えられないことを皮肉られる始末。地元紙は「(同氏に)政策運営や答弁を担当させるのは(政権内で)リスクと見られている」と論評している。

■このところ、反捕鯨団体の抗議活動のニュースが増えている。
上の写真は、今月3日、南極海で「日新丸」に瓶を投げ込むシー・シェパードの活動家たち(ロイター)
■昨日6日は、在英日本大使館でシー・シェパードの活動家2人が抗議デモをした。
時事通信 3月6日http://www.jiji.com/jc/zc?k=200803/2008030601053&rel=j&g=soc
反捕鯨訴え活動家が抗議行動=日本大使館の壁によじ登る−ロンドン
【ロンドン6日時事】ロンドン中心部にある在英日本大使館で6日朝、反捕鯨を訴える米環境保護団体「シーシェパード」の男女活動家2人が、建物によじ登るなどして抗議デモを展開する騒ぎがあった。当地で同日始まった国際捕鯨委員会(IWC)の中間会合に合わせたもの。報道によると、IWC会合の会場となっているヒースロー空港近くのホテルの外でも同日デモが行われ、参加者らは「虐殺をやめろ」「鯨を救え」などと書かれたビラを掲げた。
■で、また本日も抗議行動を行った。
産経新聞 3月7日http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080307/crm0803071528023-n1.htm
シーシェパードがまた薬瓶投げ込み 調査捕鯨船「日新丸」に
海上保安庁に7日入った連絡によると、南極海を航行中の調査捕鯨船団の母船「日新丸」が同日正午(日本時間)すぎ、米環境保護団体シー・シェパードの抗議船から薬品入りの瓶などを投げ込まれた。
けが人はなかった。シー・シェパードは3日にも薬品入りの瓶などを投げ付け、日新丸の乗組員ら3人がけがをしたばかり。
日新丸に同乗する海保の保安官が抗議船に対し、危険な妨害活動を中止するよう警告しているという。薬品は異臭を放つ化学物質「酪酸(らくさん)」とみられる。
海保は3日の事件などで、「公海上で活動する乗組員に不当な危害を与えた」して、威力業務妨害などの疑いで捜査をしている。

■反捕鯨の一方で、こんな捕鯨推進活動家もいる。
写真は、オスロの店で鯨肉を手に取る捕鯨推進団体ハイ・ノース・アライアンスの関係者(ロイター)
ロイター 3月4日http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPJAPAN-30627220080304
クジラの肉は牛肉より環境に優しい=ノルウェー活動家
[オスロ 3日 ロイター] ノルウェーの捕鯨推進活動家は3日、捕鯨が畜産よりも環境に優しいことが調査を通じて分かったとし、クジラを食べることが地球を救うことにつながるとの見解を示した。
捕鯨船の燃料消費に焦点を当てた同調査では、鯨肉1キロ当たりの温室効果ガス排出量は1.9キロであり、牛肉の同15.8キロ、豚肉の6.4キロ、鳥肉の4.6キロに比べて少ないと指摘。「牛肉の食事1回分による温室効果ガスの排出量は、鯨肉の食事8回分に相当する」としている。
北極圏沿岸地域を代表する捕鯨推進団体ハイ・ノース・アライアンスの関係者は「他の種類の肉との比較では、地球のためにできる最善策がクジラの肉を食べることであることが分かった」と述べた。
一方、環境保護団体グリーンピースは、肉に比べればほぼすべての食べ物が環境に優しいとし、この主張を否定している。
■ノルウェーは日本と同じ捕鯨国なので、クジラに対する見方も反捕鯨の国とは違ってくるのだろう。
私は捕鯨推進とまではいかないが、クジラを1頭たりとも殺したり食べたりはいけないといった頑迷な反捕鯨主義者には強い反発を覚える。
特に、クジラやイルカは知能が高いので殺してはいけないという主張には、社会ダーウィニズムの危険なにおいが感じられる。これは人種差別に繋がっていく考えや感情と共通するものだからだ。
■ただ今回の事件の報道を見ると、日本側もシー・シェパード側も互いをテロリスト呼ばわりしていて、どっちもどっちかなという思いにとらわれる。
もちろんどんなに相手に非があろうと、危害を加える行為は決して許されない。断固抗議すべきである。
しかし私たち日本側も、反捕鯨国や団体に憎悪を向けるだけでなく、捕鯨のあり方についてもう一度真剣に考えるべき時にきているのではないだろうか。
つまり南極での調査捕鯨のやり方、捕獲頭数、鯨肉の流通量などについて、的確かどうかもう一度考えてみる必要があると思うのだ。
■南房総の千倉は昔からの小さな漁師町で、子供の頃は毎年家族で海水浴に行ったものだ。
魚屋や土産物屋の店先には、「クジラのたれ」というクジラの干物が並べてあって、当時からも値段は高かったが、その黒く薄い肉を火であぶって食べると得もいえぬ美味な香りが口の中に広がった。
クジラのたれはこの地方の特産品で、量も少なく、細々と売られていた記憶がある。クジラを食べる習慣は日本中にあるというわけではなく、南房総とか、和歌山とかの限られた場所で広まり、食文化にまで高められていったのではないか。
また伊豆周辺や湯河原、真鶴のスーパーでは、イルカの肉が売られていて、初めて見た時にはびっくりした。
■現在捕鯨が全面的に認められているのは、カナダやアラスカの昔からクジラを食料としてきた現地人たちだ。いわゆる「生存捕鯨」だが、千倉などの場合も生存捕鯨とまではいかなくても、鯨漁によって生計を立ててきたわけだから、準生存捕鯨として認められてよいのではないだろうか。ほんとに小規模の沿岸での漁であり、他国の領海を侵犯することもないし、捕獲頭数もわずかなものだ。
調査捕鯨よりもむしろ、こうした小規模の沿岸捕鯨を見直して保護する方向に持っていけば、クジラ文化も守れるし、環境保護団体との不必要なトラブルも減っていくのではないだろうか。













